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夢のような ページ27

✩.*˚






朝ごはんを食べ終えた後、ナイフの話をしようと考えたがいまいちタイミングが掴めず、今は家にあった本をのんびりと読んでいる

腕にもたれかかるゾムは小説とか苦手なのか、こっちに来てくれるものの本には見向きもしない





『ねぇゾム』


「んー、なんや?」



『えっ、と…ここに来る時持ってたナイフ、どうしたい?』



もちろんゾムの物だから、どうするかはゾムが決めてね

本よりかは反応をしたゾムはナイフのある棚の方へ目を向けて言った






「あぁ…あれな…と、友達から貰ったやつやねん」


もう今はどこにおるか分からんけど、と付け足して彼は懐かしそうにナイフを見た


「…俺がわるいとこ行く前に、ちょっとだけ…一緒にいたやつのもんやねん」




ほんまはあかんのに、友だちやからって、無理やり渡されたから






《「ええから!これ受け取ってくれや!」》


《「たすけてくれてありがとうな!またあした!」》



また明日なんて言うものの、彼はその後姿を消した、それはゾムも同じで闇組織に買われて二度と会いに行けなかった

そいつは普通のやつより小柄で毒々しいくらい綺麗な瞳の色をしたやつ

名前は忘れてしまったが、確かに覚えているあの瞳


それは森に咲く薔薇の色に重なる色だった









「……で、も…もうこんな、錆びてもたし…捨てた方が、」



『友だちから貰ったんでしょ?じゃあ綺麗にして置いとかないといけないよ』




彼女はふわりとナイフをこちらをに寄せてそっと撫でた

汚れて錆びたナイフは彼女が手を当てたところから順にその光を取り戻したのだ

綺麗な模様が浮き出たところで持ち手をゾムに向ける


一連の流れについていけないゾムは目を丸くしてAを見た


『持ってみて』




言われるがまま持ち手を握ればまるで主と言わんばかりに大きく輝いたナイフ

その光はゾムにも写り、やがて消えた


「え、これ、なんなん?」


『えへへ、今からそのナイフはゾムの命令に従うようになったんだよ』


ドヤァと笑う彼女にゾムはぽかんと口を開ける


『ふふっ、好きに扱えるようになったってことですよ』


使う機会は無い方がいいんだけどねと苦笑うA









( 消したい過去で一括りにしてしまわないで )
(それはきっと大切なもの)

生きる価値→←才能



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キリス(某教祖)(プロフ) - 感動しますたあああ (1月15日 16時) (レス) @page50 id: 62b7efaae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 伏線が凄すぎる... (5月21日 22時) (レス) @page50 id: f98c154ca8 (このIDを非表示/違反報告)
イレイザー - すんげぇ好き (5月11日 7時) (レス) @page50 id: 3973b7c9c7 (このIDを非表示/違反報告)
ネギです。 - 夜中に見ました。もう凄く感動する話でした。 (5月8日 1時) (レス) @page1 id: d88732d1b8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー(๑╹ω╹๑ ) - めっちゃ良いですね!! (2023年4月9日 17時) (レス) @page50 id: dd978d4aba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:惺月 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年7月27日 3時

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