【wrwrd】脅威となる子、拾いました【zm】

ここに成長を ページ21

✩.*˚






『ゾム〜！』


「ｯな、なんや？」


『ここ！ここに立って！』




言われた通りにゾムは指定した柱の前に立つ
どうしたなんだここに縛られるのかと少々怯えるが今までのこいつの反応からしてそれはないなと察する



すると自分の身長のところで定規が当てられ、かりかりと柱を削る音がした


『ん、もういいよ』







【 〇月✕日 Zom 】








デザインナイフで象られたそれは自分がここにいるという証であり象徴だった



『今日をゾムの誕生日にしよう、来年の今日はどれだけ身長が伸びてるんだろうね』



来年もここにいていてね そう遠回しに言われてる気がしてまた目の奥がジンと熱くなる






『いつか私の身長も超えちゃうのかな』


ニコニコと微笑むAが花のように可愛いらしい





「ｯﾊ…すぐ追い越したるわｯ」


詰まらず発した声は成長の証だろう

ニカッと笑うゾムは出会った頃の絶望した表情とはまるで違う






それが嬉しくてまたAはふわりと笑うのだ









(あと、私がしてあげられること)

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