CROWN No.159 ページ9
‥
昏い過去なんて、誰にでもひとつはある。
私がそんなことを思うのは、他の人と接触があまりないからかもしれないけれど、それでも、ここにいる人達は周りより深くて、寂しくて、哀しい。
同情なんかじゃない。
隼「俺、親が離婚してから荒れちゃって。
夜遅く外歩き回ってわざと補導されたり、校則で禁止されてるのにピアス開けたり、その学校の不良とつるんでカツアゲしたり」
A「……」
隼「で、その不良グループってのが俺の住んでた地域では有名なワルだったんだよね」
龍友「地元の点在してた悪ガキ共一掃してまとめあげたあの」
隼「そうそう。 "セブンスソード" なんて、今考えてみたらバカバカしい名前つけちゃってさ」
そう、俺らの高校にはアタマ格のメンバーが7人いた。
だから、そんな名前をつけた。
俺はそのアタマ格のメンバーのうちのひとりだった。
恐喝、強盗、詐欺。
リーダーが筆頭でそんなことをやっていた。
学生なのに、実に精工で巧妙。
頭のいい奴がグループにいたから、だいたいは逃げ切れた。
やりすぎだよな、今考えたら。
別に他のグループに移ったり抜けたりすることもできたけど、俺はそうはしなかった。
仲間として話すのも、バカだと解っててワルをやるのも、このグループが1番いいと思ったから。
それに、俺はグループで1番愛嬌があったと言う自信がある。けっこう仲間内の会話に入っていて、そしてメンバーに取り入るのが上手かった。
実際、後輩達をよく可愛がったし、頼られていたとも思う。
隼「アタマ格は全員俺とは別のクラスだったけど、皆仲よかった。
昼休みは用事がない限り集まったし、放課後だっていつも一緒に行動してた……ああ、後輩連れてカラオケオールした時はヤバかったわ。
特に懐いてた後輩もいたし」
その後輩は、髪をに染めてて、ピアス開けてて、刈り上げが入ってて、先生達からしたら規則を守らないやっかいな生徒のうちのひとりだったけど、活発でいつも笑顔で、悪さはしていても友達……仲間としては最高のメンバーだった。
後輩は1年生だったけど、1日中働いている母親の代わりに弟や妹の世話をしたり、社会人である兄の弁当を作ったりしていて、勉強の時間より家事をしている時間のほうが多い気がしていた。
イガ『隼先輩!』
そう呼んでくれる後輩はとても明るくて、何事にもポジティブで、そして、俺の尊敬する後輩だった。
‥
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もも - 面白いです!更新お願いします! (2021年1月24日 23時) (レス) id: 0e215cea34 (このIDを非表示/違反報告)
iro(プロフ) - コメント初めてさせてもらったので言葉とか変だったらすみません。また何回も読み返してゆっくり更新待っているので頑張ってください!! (2020年12月29日 2時) (レス) id: c0e332dce1 (このIDを非表示/違反報告)
iro(プロフ) - 4回くらい読み返させてもらってます!!何回読んでも最高で、最後まで読んでは続きがはやく読みたいーって1人で騒いでますwゆっくりでいいですが、できたらはやく続き読みたいです(言ってること矛盾しててすみません)あとオチは佐野玲於だと嬉しいです。 (2020年12月29日 2時) (レス) id: c0e332dce1 (このIDを非表示/違反報告)
かな - ゆっくりでいいので更新待ってます!亜嵐くん落ち希望です! (2020年10月26日 18時) (レス) id: 95ffd40df7 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 隼くん落ち期待しています!! (2020年10月21日 21時) (レス) id: 1c9bc00d48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kyoh. | 作成日時:2019年1月24日 4時