CROWN No.82 ページ32
‥
「……」
ちょうど、気になっていたところだった。
バーに現れた彼は、無言で、怒っているのか疲れているのか判らない表情で私を見下ろしている。
もちろんもうひとりのほうも気になってはいるけど。
裕太は彼を見ても、何も言わなかった。
見たと言うか見向きはしなかったけど、気づいてはいた。
視線は動かしもせず、ただ、自身の手で傾けた新しいグラスに向けている。
A「……」
裕太「メンディーさん、何か言うことあるんちゃいます」
メンディー「……さっきは、ごめんね」
私もメンディーから視線を外して、カウンターに置かれた "シルバーブレット" をじっと見ていた。
左から裕太の声が聞こえてきたと思えば、反対からメンディーの声が聞こえた。
素っ気ない声だったけど、別に怒っているわけじゃない裕太の声。
メンディーもそのことが解っているのか、彼も裕太のほうは見ない。
メンディーは直接このバーに来たようで。
カジノの奥にある曲折階段を直角に曲がれ上れば、テラスを通り過ぎてここに辿り着く。
でも、階段を上がってそのままバーを横切れば、奥にはまた別の扉があって、スタッフ専用とかじゃなくれっきとしたウェルカムゲート。
メンディーはどうやら、そこから入ってきたらしい。
A「平気」
メンディー「だけど」
A「平気だってば」
グループの最年長で、どこか のどやかでおっとりしているようで、でも彼も狂気を秘めている。
裕太と同じとは限らないけど。
少ししなった感じが妙に似合わなくて、それでいてどこか私自身が彼を拒んで。
2度目を僅かに強張った声で強気に言うと、言葉は途切れた。
私は相変わらずカクテルグラスを見つめていたけど、多分裕太にメンディーにバーテンダーも、全員驚いただろう。
私がそう言ったのとほぼ同時に、裕太の近くでタブレットが着信音を鳴らす。
裕太「！」
私もメンディーも沈黙する中、裕太が目配せしたのかバーテンダーがカウンターから奥へと引っ込む。
そんな私を横目で見ながら、裕太は溜め息をつきつつタブレットを取り出す。
3人は、相変わらず立ったまま。
画面をちらりと盗み見すれば、タブレットの画面に表示されていた『亜嵐』のふた文字。
受信のアイコンをすっと2本指でスライドさせて、裕太が口を開く。
裕太「もしもし、亜嵐くん？」
亜嵐『ああ、裕太くん。今Aそこにいる？』
‥
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な - 昨日見つけてここまですぐ読んでしまいました！凄くみんなの過去が気になって惹き込まれます！！！これからも応援しています！ オチは裕太くんか隼くん希望です！ (2018年3月5日 12時) (
レス) id: f0e5b106b0 (このIDを非表示/違反報告)
ぐっちー(プロフ) - いつも見ています！主人公の過去が気になって、いつもドキドキしながら見てます！これからも頑張ってください！応援してます！ (2018年1月25日 19時) (レス) id: 900406c4cd (このIDを非表示/違反報告)
星華(プロフ) - 初めまして！楽しく読ませていただいています。オチは誰でもいい気がしてきました笑頑張ってください！ (2018年1月25日 18時) (レス) id: f0eebf7f9c (このIDを非表示/違反報告)
和佳奈(プロフ) - これからどんな風になるのかどんな過去があるのかすごい気になります！！オチは龍友がいいです！これからも頑張ってください！ (2018年1月25日 2時) (レス) id: 74371510d3 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！前にオチは亜嵐くんがいいって言ったんですけど、読めば読むほどどのメンバーのオチも気になって仕方がないです笑 でも1人にしぼるなら亜嵐くんで！ 大変だと思いますが、頑張ってください！応援してます！！ (2018年1月23日 11時) (レス) id: fea3c16bd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kyoh.
| 作成日時：2017年11月12日 20時
