CROWN No.81 ページ31
‥
裕太「……ごめん」
A「何が」
裕太「いや、話は聞いてないねんけど」
『ごめん』と唐突に謝ってきたから何に対してなのかと思えば、カーテンの影で話を立ち聞きしそうになったこと。
特に構わない、と断って、私が今度は……
A「……ごめんなさい」
裕太「何で、Aちゃんが謝るん」
A「助けてくれたのに……」
裕太「一昨日のことか」
A「私、すごく失礼なことをした」
自分でも驚くほど静かで、しんなりしてるなと思った。
でも申し訳ない気持ちは本当だから、伝えられる時に伝えなきゃって思って。
裕太が私の身を案じて頬に触れたあの瞬間、私が顔を強張らせ尻込みしてしまったこと。
びっくりしただけで、拒絶したわけではないと言うこと。
"恐怖" として映ったことは、言わないと決め込んだ。
『別に、気にしてへんよ』と彼は言った。
『そもそも自分が死にかけよったんや。それに、俺が異常で豹変するんは自分が1番解っとる』とも。
『でも、』と言いかけたところで、私の言葉は裕太に遮られた。
もうほとんど飲み終わっていた裕太のグラスで、カランと氷が踊る。
裕太「ええねん、ほんまに」
A「……」
裕太「気にすることないねんで」
壁に背もたれて、グラスを
服や靴はモノクロだから、髪の色が真っ赤に際立っていてトレードマークとして捉えられる。
『それより』とひと言置いて、裕太は壁から背を離した。
そのまま、踊り場から上のバーに向かおうと促される。
上に着けば、昨日とはまた違うバーテンダーの女性がカウンターでカクテルの試しブレンドを作っていた。
手元を覗くと、綺麗で不思議な……銀色のようにも見えるカクテルが3つほど並んでいた。
初めて見る酒の色に視線が留まっていると、『飲まれますか？』と声をかけられた。
返事を言い澱んでいると、裕太が隣から、『ノンアルにできるか？』と助け舟を出してくれた。
『承知致しました』と、女バーテンダーは慣れた感じで手を動かし出す。
裕太「しばらく、ここおる？
疲れたなら、椅子出させるから」
A「……うん」
それからは会話をすることもなく、ただ過ぎていく時間を感じるだけだった。
バーテンダーに作ってもらったカクテルは、 "シルバーブレット" と呼ばれるものにアレンジを加えノンアルコールバージョンに変えたものらしい。
‥
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な - 昨日見つけてここまですぐ読んでしまいました！凄くみんなの過去が気になって惹き込まれます！！！これからも応援しています！ オチは裕太くんか隼くん希望です！ (2018年3月5日 12時) (
レス) id: f0e5b106b0 (このIDを非表示/違反報告)
ぐっちー(プロフ) - いつも見ています！主人公の過去が気になって、いつもドキドキしながら見てます！これからも頑張ってください！応援してます！ (2018年1月25日 19時) (レス) id: 900406c4cd (このIDを非表示/違反報告)
星華(プロフ) - 初めまして！楽しく読ませていただいています。オチは誰でもいい気がしてきました笑頑張ってください！ (2018年1月25日 18時) (レス) id: f0eebf7f9c (このIDを非表示/違反報告)
和佳奈(プロフ) - これからどんな風になるのかどんな過去があるのかすごい気になります！！オチは龍友がいいです！これからも頑張ってください！ (2018年1月25日 2時) (レス) id: 74371510d3 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！前にオチは亜嵐くんがいいって言ったんですけど、読めば読むほどどのメンバーのオチも気になって仕方がないです笑 でも1人にしぼるなら亜嵐くんで！ 大変だと思いますが、頑張ってください！応援してます！！ (2018年1月23日 11時) (レス) id: fea3c16bd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kyoh.
| 作成日時：2017年11月12日 20時
