【BIG CITY RODEO / GENERATIONS】 CROWN

CROWN No.21 ページ21

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ステージ裏を抜けると、さっきの男スタッフがまた待機していた。
マントと王冠は取られた。
一夜踊り明かすのに、ふたつは邪魔だから。



スタッフの名前は相田と言うらしい。
後から教えてもらったけど、相田さんは私の専属スタッフになるのだとか。
私= "歴代CROWN" だと、うすうす解ってる自分がいる。
けど、あえて何も言わない。



『お手数ですが、また着替えに参ります』と相田さん。
ここからはしばらく自由時間だそうで、軽さ重視の服に着替えたほうが楽しいから、と言われた。



さっきの道をそのまま戻って控え室に向かう。
相田さんの胸元には、ピンバッジが金色に光っていた。









相田「このバッジは、 "彼ら" からいただいた物です。
　ここのスタッフの証として」


A「バッジを見ていたと、何で解って……」


相田「興味津々に見られてたじゃないですか」









クールそうな見た目に反して、お茶目に笑う人だ。
彼の笑顔を見て、私はそう思った。



さっきと同じ控え室に入ると、ドレスがまるごと入れ替えられていた。
驚いて相田さんを見れば、『その都度用途に合った物を用意するように、と仰せつかっています』とスマイル。
ああ、 "彼ら" に、ね。



見た感じどれもひとりで着れそうだったので、手伝いは断固として受け入れなかった。
眉の端が少し下がった顔を見せられ、良心が痛む。
外で待機しておりますので、終わり次第お声かけくださいと、ドアが閉じる。









──何時だろう









時計などとっくに没収されているから、今が何時かも判らない。
ここの建物は、どことして時計がかかっている場所はなかった。
刻(とき)など、彼らのパーティーの楽しみを邪魔しているような物なのかもしれない。
あと何時間で終わってしまう。
そう思うと、上がっていたテンションも沈んでしまうから。



私が着たいと思う服はあまりなかったけど。
銀髪に合う、この顔に合う、動きやすさ重視の服。



オフショルダーの秋らしい生地の七分袖セーター。
凝った装飾の施された紺デニムのダメージパンツ。
さっきよりは踵の低い、赤茶のオープントゥ。
セーターにもオープントゥにも、存在感を主張するダイヤがついている。
オープントゥに至っては、細かく編まれたようなデザインで、履くのに少し手間取った。









相田「おお、A様らしいチョイスですね」









貴方様によく似合っておられます。
いかにも、 "CROWN" らしい。




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