CROWN No.17 ページ17
‥
がさごそと口紅の乱雑に詰め込まれたスペースを探って、さっき私がスタッフにつけてもらったルージュとそっくり同じ物を取り出す。
キュキュと先を出せば、本当に同じ色だ、と少しだけ感心する。
この暗がりの中、よく判ったな……
涼太「じっとしててね」
そう言って、ソファーを自分の正面に回す。
まさかの、可動式。
私の前に
その姿は、まさに王子様。
A「自分でできる」
涼太「やだよ」
A「えっ」
涼太「……別に直さなくてもいいんだよ、メイク」
ルージュをこちらに向けた時、何をされるかが判って。
自分でするとルージュを取ろうとするけど。
華麗にかわされて、私の手は宙を掴む。
衣装に似合わず明るい笑顔で笑う彼。
A「……」
涼太「いい子だね」
手を収めて、膝の上でまとめる。
握りしめられた私の手を見て、彼はまた笑った。
それが私の怒りを余計に焚きつけていることに彼はきっと気づいていないフリをしている。
『目を閉じて』と言われたから、言うがままにする。
片手が頬に添えられ、もう片方の手はルージュを通して私の唇をなぞる。
裕太「涼太くんはそう言うの得意やもんな」
隼「せっかくスタッフが綺麗にするの僕らがぐちゃぐちゃにしちゃうから、直すのだいたい涼太くんだもんね笑」
そんな会話は余所に、『いいよ、目開けて』と声がした。
力が抜けて、先に背もたれにもたれてしまったけど。
ゆっくり、ゆっくりと目を開ける。
1番最初に視界に入ってきたのは彼で。
涼太は私に手を差し出していた。
涼太「……綺麗だよ」
まるで、眠りから覚めた白雪姫のよう。
作っていない彼のその笑顔は、ほんの少しだけ、
私の頬を紅く染めた。
‥
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ピヨコ - はじめまして！！いつも作品を読ませてもらっています。本当にこの作品が面白くて読むのがとても楽しいです！ちなみに私は涼太君オチがいいです。これからも頑張ってください！！ (2020年3月11日 21時) (
レス) id: eb22d40d8e (このIDを非表示/違反報告)
じゅり - 今までにないストーリーに感動！とても面白いですね(*^ω^*) (2018年2月21日 15時) (レス) id: f641cbabc6 (このIDを非表示/違反報告)
みのよせ(プロフ) - 京羽さん» 楽しみにしてます!!このお話読んでたら、BIG SITY RODEOでこんなにも沿っててんで、内容も濃くてほんまに凄いと思っています!!語彙力無くてすみません…これからも頑張って下さい!! (2017年12月12日 12時) (レス) id: c92c0a9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
京羽(プロフ) - みのよせさん» 誤字の指摘ありがとうございました！ オチについてはめちゃくちゃ悩んでます！ 佐野さんの過去も楽しみにしていただけたら嬉しいです！ (2017年12月11日 17時) (レス) id: 25532f7237 (このIDを非表示/違反報告)
みのよせ(プロフ) - あの、突然すみません!!No.46だけかも知れませんがゆっぴの裕が祐になってます！このお話大好きで楽しみながら読ませてもらってます!!あ、オチは玲於でお願いします。あの可愛いれおたんが喜ぶとこを見たいだけです(笑)←これからも頑張って下さい!! (2017年12月10日 23時) (レス) id: c92c0a9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京羽 | 作成日時：2017年10月18日 16時
