【JO1】伝えられるなら

32 ページ32

翔「来ない」

瑠「どしたの」

翔「連絡が来ないんです」

蓮「まだ、総務にいるんじゃないの？」

翔「でも、今日定時って…」

奨「戻りましたー」

瑠「どこ行ってたの？(笑)
コーヒー2本持って」

奨「総務に(笑)華麗に散ってきました(笑)」

翔「え？Aに告白したんですか？！」

奨「はっきり言うね…(笑)
まぁ、伝えただけ」

翔「え、って事はまだ会社に居るってこと？」

奨「もう帰るんじゃない？」

翔「なら良かった…いや、良くない」

蓮「どうした(笑)」

翔「もし、万が一、Aが奨くんに
心変わりしたらどうするんですか」

奨「その呼び方にするのね(笑)まぁ良いけど。
後、その心配はないかな」

瑠「無いだろうねえ」

蓮「無いよね」

翔「ちょっとー皆でそんな恥ずかしい」

瑠「でも、Aちゃんは不安かもしれないね」

蓮「あー」

奨「そうかもね」

翔「え、ちょ」

瑠「お寿司の子、大丈夫なの？」

翔「え、大丈夫だと思ってますが…」

蓮「甘いなぁ」

奨「甘いねぇ」

翔「えー、まだ何かあるんですかね」


その時一件のメッセージが。


翔「家、着いたみたいです」

蓮「じゃあこれで残りも頑張れるね(笑)」

翔「…はい」

瑠「頑張りますか」


そこからはそんなに時間がかからずに
終わったのもあって皆で帰るのに


翔「フロント行ってきます」


鍵を返しにフロントに行くと


「木全さん」

翔「…どうしたの？」

「一緒に帰りましょ」

翔「先輩たちもいるから」

「皆さん、帰る方向違うでしょ？」

翔「まじで腕に絡みつかないで」


ちょっと無理に振り払おうとした
キャって言いながら転びそうになるから
思わず抱き止めたけど


翔「態とそういうことすんのは良くない」

「ふふっでも効果あり…」


彼女の視線に目を向ければ

焦る先輩達とA…


翔「A！」

「ごめん、冗談だってわかってるけど…きつい」


Aは手に持っていた袋を先輩に
押し付けて帰って行った。

追いかけようとすると


「今行っても逆効果じゃない？」

翔「…ねぇ」

「何ですか」

翔「…本気で怒るよ？」


自分でも驚くほど低い声がでる。
あんまり俺、怒らないんだけどね。

先輩の元へ行くと


瑠「これ」

翔「ありがとうございます」


中身を見ると缶コーヒーが2本。
いつも最寄りの駅の自販機で買ってたやつ。

これを飲みながら帰り道歩くのが楽しくて。


奨「追いかければ間に合うんじゃない？」

翔「先に失礼します」


間に合って…

33→←31

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す