【JO1】伝えられるなら

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「A、これも宜しく」

「わかりました」


先輩達が帰っていって私は1人残る…っていうか
残されてるが正しいかも。

まだ2年目だからかな、雑務は私の仕事。

総務部だし仕方ないんだけどね。


「はぁ。」

翔「また残業？」

「あ、翔也、お疲れ様」

翔「お疲れ。はい、どうぞ」

「あ、ありがとう」


同期の木全翔也。
翔也は先輩達、特に女の人からの対応が甘い。
だからかな、仕事も私に比べたら少ない。
それに容量も良いから仕事を終わらせるのも
早くて今日も先に帰ったはずなのに


「先に帰ったんだと思ってたけど？」

翔「これ買いに行ってたの」

「夕飯？太りそう(笑)」

翔「じゃああげない(笑)」

「うそうそ！頂戴？」

翔「後、どれくらい？」

「これ」


積まれた山積みの書類達。
多分、女だし嘗められてるんだろうっていうのは
自分でもわかっていた。

だから反抗もせず黙々とこなす。


翔「貸して。やるから」

「いいよ(笑)帰った方が良いよ？」

翔「家近いんだし一緒に帰ればいいでしょ」


サンドイッチを咥えながら
カタカタと打ち始める翔也。


「ありがとう」

翔「缶コーヒーでいいよ(笑)」

「やっす(笑)」


2人で黙々と進めること何時間経ったかな…


翔「終わり？」

「終わったー！」

翔「まだ電車あるね」

「うん、帰ろ」


駅まで向かって改札を抜けると


翔「電車きてるよ！」

「え！」


ギリギリで乗ったのは良いけど
ラッシュに近いほど混んでて


翔「大丈夫？」

「ごめん、ありがとう」


捕まるところがなくて翔也が


翔「いいよ、気にしなくて。
捕まるところ届かないんでしょ？(笑)」

「うん、何処も届かない(笑)」

翔「缶コーヒー２本ね(笑)」

「はいはい(笑)」


一瞬、一瞬ね？
見下ろされた表情にドキってしたのは
翔也には絶対教えない。

最寄りについて


翔「何か混んでたね(笑)」

「本当。あ、缶コーヒーどれ飲むの？」

翔「いいよ、別に(笑)」

「え、なんかやだ(笑)」

翔「えーじゃあこれとこれ(笑)」

「2個同じじゃないんだね」


翔也に言われたのを買うと
翔也はしゃがんで落ちてくるのを待ってて


翔「はいっ」

「え？いいの？」

翔「俺だけ飲むなら一緒に飲みながら歩こ？」

「ありがとう」

翔「お金出してるのAだよ(笑)」

「確かに(笑)」

翔「あんなにいつも押しつけられて
嫌じゃないの？」

「仕方ないよ」


翔也がいてくれてよかった。

良い同期に会えた気がする。

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