【アイナナ】天使vs天使、じゃないの？？【九条天】 (ページ49)

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88：会いたかったページ49

「やっと、会えました」

Aがいた。
天は座り込んでAを見上げたまま動けなかった。
あまりのことに口も開いたままだ。

「ちょうどよかったです。挨拶に行こうと思っていて。今日から姉鷺さんのもとでマネージャー見習いとして勉強させていただくことになりました。桜井Aです。よろしくお願いします」

Aは一息にそう言ってぺこっと頭を下げた。
天は彼女がなにをいっているのかよくわからなかった。

そんなことよりも。

「どこにも行かないっていった」

涙がでるかと思った。

「ここにいます」

Aは懐かしい笑顔でまっすぐそう言った。

「立てますか？」

座り込んだままの天にAが手を伸ばす。これではあの時と正反対だ。
悔しくなって、天はAの手に自分の手をのばした。

「わっ」

そのままAをぐっと引き寄せて無理やり口付ける。
勝手に消えた罰だ。これぐらい許してくれないと困る。

「ん」

突然のことなのに逃げずにじっとしているAが愛おしくて仕方がない。もうこのまま離す気はなかった。

「く、九条さん」

Aが慌てているのを見てやっぱり変わらないなと思う。

「好きだよ、A」

あのとき伝えられなかった言葉をやっと伝えることができた。

「わたしも、好きです」

Aがそう言って笑ったのを見て、天はもう一度彼女に口付けた。

天使vs天使、じゃないの？終