【アイナナ】天使vs天使、じゃないの？？【九条天】 (ページ32)

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71：本当に足りないのはページ32

「え、生放送ですか」

ユウリとAがマネージャーに呼び出されて話を聞くと、生放送の番組にアイラビットの出演依頼が来たとのことだった。どうやら他のアーティストが急に出演できなくなり、その代わりとしてアイラビットにでてほしいというのだ。アイラビットだって不完全な状態だが、ミニゲストとしての出演になるため、一曲歌うだけでいいらしい。

音葉のパートはAが歌えないか、とマネージャーが提案する。

「まあ、Aなら完璧に歌えると思いますけど」

ユウリは答えてから、Aを見た。

「歌える？」
「う、うん」

ユウリに聞かれて、Aはこくこくと頷くことしかできなかった。
音葉がいない今、Aにできることならなんでもしたい、と思った。

「音っち、来てくれるといいね」

マネージャーが去ってからユウリはAの手をとって呟いた。
久しぶりにつないだユウリの手は、冷たくて弱弱しかった。

「連絡してみるね」

Aが無理やり笑顔を見せると、ユウリもいつもの笑顔を返してくれた。
足りないのは音葉の笑顔だけだった。