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第7話 ページ13
「菊池さん?」
「えっ、あ、なに?!」
急に顔を覗き込まれて、キス出来るくらいAの顔が近付いていて、思わず変な声が出る。
俺の反応を見たAはクスクスと笑い始める。
「そんなに驚かなくても……。なんだか、菊池さんとは初めましてじゃない気がします…」
「………そう?夢の中で会ってたりして」
「お兄ちゃんみたいな事言うんですね?」
「俺もアイドルだからさ」
「ふふっ、そうでした。じゃあ、ここはキャー♡って言わないとですね」
Aと何気ない会話を交わしていればあっという間に1時間も経ってしまって、日も暮れ始めていた。
椅子から立ち上がり空っぽになったデザートのゴミを捨ててあげて、改めてAの横に行く。
「そろそろ帰るよ。長居してごめんね」
「いいえ。楽しかったです」
「……また、来ても良いかな」
「え?…あ、……はい。待ってます」
にこり、と微笑んだA。
夕焼けが彼女を余計に美しく照らしていて、ドキリと胸が高鳴る音が聞こえる。
そんな彼女の右手には、俺があの日、1年記念にあげたアメジストの指輪が輝いていた。
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作者名:ルイ | 作成日時:2019年5月26日 20時