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「睡蓮」 ページ28

「テツヤさん」

私の隣に座るソイツを呼ぶ声に、ビビらずにはいられなかった。

え、何で黒子こんな美人にさん付けで呼ばれてんの??

ってかこの人らは黒子の何なの????


ても呼ばれた本人は至って冷静に「はい」と応える。

「貴方が仰ってたのが、この方なんですね?」

「はい」

多分「この方」は私の事なんだろうけど、「何の話ですか」と聞ける雰囲気でも無くて、この淡々とした会話を隣で聞き流すしかなかった。

つか男の方全然喋んねぇな。

そんな事を考えてる間にも、黒子と美人の話は進められていく。


「本気ですか」

「はい」

「彼女じゃなければいけないんですね」

「はい」

「こちらの方と、籍を入れたい、と」

「はい」


__はい?

そう声を大にして聞き返したかったけど、重苦しい空気のせいで口には出せなかった。


「籍を入れる」って何?

結婚ってこと?

私と黒子が?

は??

どこをどうしたらそうなった?


この部屋の中で、多分私1人だけが今の状況を理解しきれてない。

美人は黒子の返事に特に驚くでもなく、その色素の薄い瞳を黒子に向けている。


「……わかりました、テツヤさん、こちらへ」

重々しく頷いて、美人が立ち上がる。


いやいや私がまだわかってねえっつーの。

そんな言葉もやっぱり声にはならなくて、美人に続いて黒子ともう1人の男が立ち上がり、3人は連れ立って部屋を出て行った。


去り際に頭を下げられたので、とりあえず会釈を返しておく。


……何これ、何、ドッキリ?

いや、な訳ない。

私テレビの仕事は受けないって言った、私の意見第一で動いてくれてる夏音さんが相談せずにそんな仕事受けるはずないし。

じゃあ夢?

こんなリアルな夢があってたまるかよ。



自問自答してると、ス、と襖の開く音がしたから顔を上げる。


入ってきたのは黒子一人だった。

「ありがとうございました」と一言、頭を下げてから、さっきまで美人達が座ってた席に着く。

何に対しての礼なのかよくわかんないんですけど。


向かい合う形になった黒子に、とりあえず「どういうこと?」と聞いてみる。

「……まさかずっと黙っててくれるとは思いませんでした」

「何か言い出せる感じじゃなかったじゃん、わりと空気は読んじゃうんだよ私。……何、何のつもりなの、これ」


ようやく気張ってたのが緩んで、慌ただしく口を動かした。

「深淵」→←「白百合と百日紅」



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水団子(プロフ) - 歌柚さん» 話の展開を褒めて頂き光栄です、、!!!拙い文に亀更新で申しわけありませんが、楽しんで頂けると嬉しいです!コメントありがとうございました! (2021年8月31日 3時) (レス) id: 4f5e2162c5 (このIDを非表示/違反報告)
水団子(プロフ) - 光華さん» めちゃくちゃ嬉しいです、、恐ろしい程更新が遅いですが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。コメントありがとうございました! (2021年8月31日 3時) (レス) id: 4f5e2162c5 (このIDを非表示/違反報告)
歌柚 - コメント失礼します。ストーリや話の展開が面白くて楽しく見させてもらってます!ストーリ更新楽しみに待ってます!! (2021年7月13日 21時) (レス) id: f33fb75788 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 好きです!更新応援してます! (2021年5月16日 10時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)
水団子(プロフ) - よもぎお餅さん» 黒子くんのお家に行こうと尾行したら見失った、というエピソードが好きでそこから色々と捏造を重ねたらこんな黒子くんが出来上がりました(^-^)主人公らしからぬミステリアスさが魅力だと思っています!コメントありがとうございました!! (2019年6月19日 20時) (レス) id: f26d4bb807 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水団子 | 作成日時:2016年9月16日 0時

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