【黒バス】R【黒子テツヤ】

「#空っぽ」 ページ15

2度目のことは、あんまり、っていうか絶対、思い出したくないけど。



……あーあー。


寝よ。


筋トレして、お風呂入って、ストレッチして、マッサージして、爪磨きして、ベッドに沈まろ。



１日の終わりの習慣。




この一連の流れが、私にとっては、おまじない、みたいな。







これやって、眠ったら、


一瞬は、


忘れられる。









次の日の目覚めは思ったとおり最悪で。


意味もなく死にたい。


なんて中学生っぽいこと考えた。


うげぇ、メンヘラみたい、やめよ。


「何が何でも生きてやる……」


Ｍちゃんは多分もう仕事に出てて、反応が返ってくることはなかった。





何となく部屋の隅に固まってある耳のついたカチューシャを見て、「ディズニー行こ」って4人にLINEを飛ばした。



「やった」

「アフ６？」

「いぇーいせっかくなら朝からいこーよ」

「今日雨降んないよね」



「10時に東京駅集合」


それだけ打って、スマホを薄みがかったピンクのシーツの上に投げた。


顔を洗おうと洗面台に向かうと、Polarisのシャンプーの匂いが鼻についた。


髪をくくってヘアバンドをつけて、顔をぬるま湯にくぐらせる。



両脇に鎮座する多大な量のスキンケア用品。


全部デパコス。



これだけあんのに、目の前の鏡にうつる私が、満足そうじゃないのは何でだ。








私の心が満たされてないのは。





頭からは、こびり付いて離れないのは、何でだ。






「……ぶっさいくな顔」


両手のひらに溜めたお湯を、鏡の自分にぶちまけた。


それでも変わらず、私の顔は青白いまんま。




何でか知らないけど、あの水色が頭をかすめた。

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