陸話:紅丸さんはもう逃げない。 ページ8
紅丸side.
屯所に着き、俺より前を歩いていた紺炉が屯所の引き戸を開けた。
屯所の中に入ると、流石に時間が時間だからか玄関以外灯りはついていなかった。
「…流石に寝てるっぽいですね。若。」
「嗚呼。そうだな」
「(相変わらず切り替えはや…;;)」
内心、Aが引き戸が開いたら、俺達の帰りを待っててくれるっつー期待を抱いていたが、そんなのが叶うのは夢のまた夢だ。
シンっと静まり返る玄関の方へドタドタと走る足音が近づいてくる。
俺は走る音が聞こえる曲がり角を警戒しながら睨むと、急いだ様子で走ってきたAが顔を出した。
『しっ、新門大隊長…!紺炉さん…!』
「…!?」
寝ていると思っていたAが息を切らしながら、俺達の方を見てこう言った。
『おかえりなさいっ』
どこか安心しきったような笑顔で、俺達に向かって
ふわりと笑った。
心臓がドクンと大きく跳ねる…。
頭の中がこいつで埋め尽くされていく…
俺は…、俺はAの事が「“ ”」なのに…。
それと共に、今まで自分のくだらない羞恥心だけの為にこいつ自身に当たってきた俺に腹が立って、過去の俺を殴りたくて仕方がなかった。
「(毎日毎日、朝から晩まで屯所の色んな所の仕事をして、ヒカとヒナの面倒も見てるってのに…ボロボロになりながらもこいつは頑張ってるってのに…
俺は…!!)」
今まで自分がやった、酷いことを言ってきたことが、頭の中にフラッシュバックのように流れる。
俺は、自分が好きな奴をこんな顔にさせる為に戦ってきたんじゃねえ。
そんな悲しい顔をさせる為に生きてきたんじゃねェ…!!!
…………絶対もう、
俺は…ッ
・
・
ーーーーーーーー「( 逃 げ ね え )」ーーーーーーーー
やっと自分の心の決心がつくと、Aと丁度目が合った。
「………。」
『Σ(OωO )ビクッ』
何だ今の反応可愛いなおい。←
いつもなら凄い勢いで目を逸らすのに、今日は目を逸らさずに真っ直ぐと俺を目に写している…。
「…………はぁ…。おい紺炉。ちょいと明日のことでちょいと相談なんだが…」
流石に自分の好きな奴とずっと目と目見つめ合うのは恥ずかしくてこっちが色々と爆発しそうで、俺はAの隣を横切り、後ろにいた紺炉に話を振った。
ついつい顔をじっと見つめちまった…。(汗)
俺は紺炉と話しながら、横目でAを見ると後ろからでも分かるぐらいの苦しそうな…悲しそうな表情をしていた。
俺は無意識に、Aの細い腕を掴んでいた。
皆様お待たせしました…!!!汗汗
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環 - 笑ったりキュンキュンしたりでとても楽しい作品ですね…!作者様のこと、大好きです!((は ずっと応援してます!一生!しんでも!紅丸と作者様大好きですぅぅぅ紅丸グッズ欲しいぃぃ((殴殴 (2020年7月12日 22時) (レス) id: d54dba2782 (このIDを非表示/違反報告)
みだり - イルカさん» それな (2020年2月7日 23時) (レス) id: 2ec1bda221 (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - 下の名前で呼ぶ話、大好きなんですよ!ぐわってなってぎゅんってなります!Twitterやってないのでフォロー出来ないのですが小説だけで、応援、頑張ります!あぁぁ!今日も推しが尊い! (2020年2月1日 19時) (レス) id: 55fd3da7df (このIDを非表示/違反報告)
(名前)乙女(プロフ) - カリスから乙女になりました。乙女です、やっぱ紅ちゃんになると日本っぽい名前が良いなと思い変えました(汗)Twitterフォローさせて頂きました!応援しています! (2020年2月1日 17時) (レス) id: 5783622537 (このIDを非表示/違反報告)
おれお(プロフ) - Twitterフォローさせていただきました!!これからも応援しています(*^^*) (2020年2月1日 16時) (レス) id: b49044ef37 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2020年1月22日 0時