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「…Aちゃんは夢ノ咲じゃなきゃだめだってなにかが、あるの？」
あ、話を逸らされた。
でも無理に話してもらう訳にはいかない。
「んー……特には。元々夢ノ咲の普通科に通ってたこともあって、都合がいいかなって。確かに学院では、私なんかいる必要ないって思うけど…私に優しくしてくれる子たちもいるし…」
実際、なるちゃんやみかちゃん、大神くん、1部の後輩の子達は、私に良くしてくれる。
気を使って貰っちゃってる、とも取れるけど、その優しさに甘えることを許してほしい。
「…それだけなら黎明に来ればいいのに。その子たちなんかより僕がよっぽど良くしてあげられるね」
私が目を逸らしたのを見て、日和さんは浅く息を吐いた。
「…他に理由があるんでしょ？」
「…1番はやっぱり、その、親が私にかけるお金、ないだろうし」
親がどうのこうのって、言いたくないけど…黎明に来るとなればお金は必須だし…何より黎明にプロデュース科は存在しないし。夢ノ咲のライバル校だから、同じようにプロデュース科を作る日もそう遠くは無いけど、その頃私は学生かどうかもわからない。
「……。」
日和さんはゆらゆらとティーカップを揺らす。
光沢のある鮮やかなオレンジ色が、与えられる重力に従って右へ左へと波打ってゆく。
私が夢ノ咲の生徒なのがそんなに嫌なのかな…
「…Aちゃんが会いにきてくれないから」
「え？」
「…君が会いに来ないから、この僕がお迎えに行ってあげなきゃいけないね」
「あ…ごめんなさ…」
「ちがう。そういうことじゃなくて」
日和さんはおずおずとこちらを見上げるように顔を上げる。
綺麗な宝石のような瞳と視線がかち合うと、目が離せなくなる。
ふと、あの時のステージが蘇る。
私のことを知らなかった日和さんが、あの日和が、私と見つめ合ったあの瞬間。
私は恋に落ちていたのかもしれない。
「…僕が会いたいとき、すぐに君に会えないのは、悪い日和だね」
「え…、？」
「いや！なんでもないね！僕はなんだか変みたいだから、もう帰っ…」
「日和」
らしくない態度を見せる日和さんを、
「な…なに？」
なんだか引き止めなきゃいけないような気がして、
「…私も、」
そこで、ハッと息を呑んだ。
どうして思い出してしまったんだろう。
日和さんはアイドルで、私はプロデューサー。
日和さんの言葉が、脳内で反芻した。
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楓(プロフ) - ななこさん» とても嬉しいです!!これからもご愛読頂けたら嬉しいです^^♡ (9月23日 0時) (
レス) id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)
ななこ - 面白すぎて一気読みしちゃいました( ; ; ) 更新これからも頑張ってください！ (9月5日 1時) (レス) id: cef98c867c (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ニコさん» お待たせしてます〜！申し訳ないです！(;_;)すごく励みになります！不定期すぎますが気長にお待ちいただけるととても嬉しいです…！ありがとうございます！ (8月14日 1時) (レス) @page13 id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 最新話きちゃ〜お疲れ様です！！相変わらず面白いです！！無理のない程度に連載頑張って下さい！！ (8月14日 0時) (レス) @page13 id: 3cff96fe75 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - 苺姫さん» コメントありがとうございます！大変励みになります！検閲のご協力ありがとうございます、訂正致しました！ (2022年12月7日 23時) (レス) id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楓 | 作成日時：2022年1月5日 20時
