.* ページ5
「えっ…ひ、日和、さん」
どうしてそんなに都合よく現れるの？！
まるで少女漫画みたいに…。
「…何しに来たの？」
きょとんと首を傾げて私の顔を見ている。
怒っている様子も、気まずい感じもなくて…
「ひ、日和さんに、謝ろうと思って。先日はつい、声を荒らげてしまいましたし、日和さんにお説教させるようなことをしてしまって…」
「あぁ、それのこと？気にしてないね。僕は叱ったわけでも怒った訳でもなく、より合理的な選択を勧めただけだね。君がそれでどうしようが、僕は知ったことじゃないし」
う…そう、だよね。私が悩んでたからアドバイスしてくれたっていうか。
「でも…日和さんに生意気な口をきいてしまいましたよね」
「そう？僕らはさほど年も変わらないんだし、生意気もなにもないんじゃない？まあジュンくんはちょっと生意気すぎるけど」
呆れたように笑う日和さんが、何となく寂しそうに見えた。
「…Aちゃんもさ、僕のこと、日和さん、じゃなくて、日和、って呼んでみてよ」
「え、えぇっ？」
そんなこと出来るわけない！相手は年上で、偉大なアイドルだし、そんな馴れ馴れしいこと…
「命令！ほら、呼んでみて」
「ぇっ…ひ、ひより…」
「声が小さいよ、ちゃんと呼んで」
「ひ……ひよ、り」
どういういじめ方！？全然意図がわかんない…。
「ふふ。よく出来ました！ジュンくんのことも、ジュンさん、じゃなくて、ジュンくんって呼んであげてね。ジュンはダメだよ、ジュンくんにすること！」
「ほ、本人がいないのにそんなこと決めていいんですか？」
それに、いきなりジュンくんなんて呼んだら不自然だし…
「いいのいいの！ジュンくんは僕の犬だし」
犬？！
そんなのジュンさんが聞いたらめちゃくちゃ怒りそうだけど…
「ふふ、気に入ったね。これからも日和、ってちゃんと呼ぶんだよ」
ひぃ、周りに変な目で見られそうで怖い！
…まぁでも、日和さんが満足してるっぽいから、いいか。
「…で、ここに来た理由は本当にそれだけ？僕の顔を見に来ただけなんだね？」
「え、いや、顔を見に来たというか…」
「僕に会いたかった、そうでしょ？なら話は早いね、おでかけしよう！」
…なんでそうなるの？
毎度ながら困惑せずにはいられない自由奔放さ。
いつも通り人の話を聞かない縦横無尽っぷりに翻弄されながら、そんな日和さんの人柄に甘えさせられているのはこちらだ。
「プロデューサーも頑張ってくれたんだから、労いがないとね！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1949人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
楓(プロフ) - ななこさん» とても嬉しいです!!これからもご愛読頂けたら嬉しいです^^♡ (9月23日 0時) (
レス) id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)
ななこ - 面白すぎて一気読みしちゃいました( ; ; ) 更新これからも頑張ってください！ (9月5日 1時) (レス) id: cef98c867c (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ニコさん» お待たせしてます〜！申し訳ないです！(;_;)すごく励みになります！不定期すぎますが気長にお待ちいただけるととても嬉しいです…！ありがとうございます！ (8月14日 1時) (レス) @page13 id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 最新話きちゃ〜お疲れ様です！！相変わらず面白いです！！無理のない程度に連載頑張って下さい！！ (8月14日 0時) (レス) @page13 id: 3cff96fe75 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - 苺姫さん» コメントありがとうございます！大変励みになります！検閲のご協力ありがとうございます、訂正致しました！ (2022年12月7日 23時) (レス) id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：楓 | 作成日時：2022年1月5日 20時
