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およそ7年前＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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真希(9歳)side
「ったく……あー……腹減った」
鍵の開かない物置部屋で、私はひとりごちた。
丸3日。
物置部屋に閉じ込められている。
1日1回、水が届けられるが、コップ1杯の水で満腹になるわけねぇだろアホか。
「………真依、大丈夫かなあ………」
事の発端は、真依が給仕役の女に虐められているのを発見したからだ。
私達にとって僅かな食事を、池に捨てられた。
腹が立ったから、池に投げ捨てられた飯を、その女にぶん投げてやった。
どう考えてもあの女が悪ぃだろ。
憤懣やるかたない気持ちでいると、物置の鍵が、ガチャリと音を立てて開いた。
給仕役の女か。
どっかのジジイか。
………真依か。
が、結果はその誰でもなかった。
「＿＿＿＿＿＿＿＿真希姉さん」
にっこりと、悪魔のような笑みを貼りつけているのは、ひとつ年下の
「何の用だよ」
低く凄む声で言うが、コイツには微塵も効果がない。
「姉さんが死にそうだって聞いたから、様子を見に。あ、ご飯も持ってきたんですよ」
紙袋の中からおにぎりを取り出す蛍。
「姉さん、お腹、空いてるでしょ？」
奥歯を噛み締める。
家畜に餌をやるみたいな顔しやがって。
私は豚じゃねえ。
「オマエからの飯なんて、死んでもいらねぇよ」
だけど、今すぐソレに食らいつきたい欲求も、間違いなくあった。
私の中にある、
そんな私を見透かすように、蛍はまたくすりと笑った。
「真希姉さんが死んでも、他の人は別に困らないけどね、真依姉さんが可哀想じゃない？だから、食べてください」
目の前に、おにぎりが置かれる。
蛍は私に、食べる理由を与えられたのだ。
私が死ねば、真依は独りぼっちになる。
それだけはダメだ。
自尊心でも生存欲求のためでもない。
妹のために、食べる。
私は、手を前に出した。
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zyunri(プロフ) - こはさん» コメントありがとうございます！更新まで、もう少しだけ待っていてください！頑張ります！ (2023年4月20日 20時) (
レス) id: 8124b8ac06 (このIDを非表示/違反報告)
こは - 更新楽しみにして待っときます (2023年4月8日 11時) (レス) @page44 id: b559896119 (このIDを非表示/違反報告)
うおまわり(プロフ) - zyunriさん» はい！楽しみに待ってます(*´︶`*) (2023年3月29日 15時) (レス) id: 13372335d3 (このIDを非表示/違反報告)
zyunri(プロフ) - うおまわりさん» コメントありがとうございます！大好き……嬉しすぎて泣いてしまいます……！続編もお楽しみに (2023年3月29日 14時) (レス) id: 8124b8ac06 (このIDを非表示/違反報告)
うおまわり(プロフ) - めっちゃんこ大好き… (2023年3月29日 12時) (レス) id: 13372335d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：zyunri | 作成日時：2022年9月9日 15時
