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伏黒恵side
「伏黒君、団体戦が終わってから、何だか機嫌が悪くない？」
食べ進めていると、唐突にそう言われた。
「別に、そんなことないですけど」
「もしかして、虎杖君に先を越されて焦ってる？」
「！」
「私からすれば、伏黒君は羨ましい限りなんだけどね」
蛍さんの目が、少し悲しそうに見えた。
「知ってる？十種影法術は、禪院家相伝の術式の中でも特に歴史が古くて強力だから、その術式を持った者のほとんどは当主の座に就いているの。五条家の無下限呪術に並ぶ術式だよ」
その話なら、五条先生に聞かされたことがある。
「君は恵まれているよ。名前の通り」
「………」
確かに、自分は傍から見れば恵まれているのだろう。
助ける人間を選ぶから、背負うものも少ない。
「対して私は、禪院家の最下層の家。術式も相伝でなし。加えて女。ここまで来るのに大変だったよ」
声の雰囲気は、不幸話をする感じでもない。
「でも、1級じゃないですか」
「まぁね。あの家では、実力がなければダメだから。………ご馳走様でした」
トレーを持って立ち上がる。
「あ、そうだ」
そのまま離れようとしたところで、蛍さんは急に足を止めた。
「一緒にご飯食べて、話に付き合ってくれたし、最後にひとつ、呪術師としてアドバイス」
「？」
蛍さんは、にこやかに微笑んだ。
「君は、もう少し自分を信じて、目の前に全力になったらいいと思うよ。人が変わるきっかけは、案外些細なものだから」
それだけ言って、彼女は去っていった。
最後まで、よく分からない人だったな。
でも、思ったより気さくだった。
そして気づく。
彼女が『悪女』であると知っているのに、どうしてだか不快感がない。
逆にそれが、怖かった。
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zyunri(プロフ) - こはさん» コメントありがとうございます！更新まで、もう少しだけ待っていてください！頑張ります！ (2023年4月20日 20時) (
レス) id: 8124b8ac06 (このIDを非表示/違反報告)
こは - 更新楽しみにして待っときます (2023年4月8日 11時) (レス) @page44 id: b559896119 (このIDを非表示/違反報告)
うおまわり(プロフ) - zyunriさん» はい！楽しみに待ってます(*´︶`*) (2023年3月29日 15時) (レス) id: 13372335d3 (このIDを非表示/違反報告)
zyunri(プロフ) - うおまわりさん» コメントありがとうございます！大好き……嬉しすぎて泣いてしまいます……！続編もお楽しみに (2023年3月29日 14時) (レス) id: 8124b8ac06 (このIDを非表示/違反報告)
うおまわり(プロフ) - めっちゃんこ大好き… (2023年3月29日 12時) (レス) id: 13372335d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：zyunri | 作成日時：2022年9月9日 15時
