キャンディー・ボーイ【ONEPIECE】 (ページ14)

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愛囁 13 ページ14

*

ローにあれから、もう一度だけ男体化手術の話をされたが丁重にお断りした。彼もそれがいい、と頷くと二度とその話はするなよと釘を刺してきた。

恐らく、二度とおれがこの手の話をすることはないだろう。もう、男になろうなんてことは考えない。

あれから、話せる部分は大まかに一味のみんなに説明した。ルフィたちは真剣にそれを聞いてくれて、もし父親がおれを連れ戻しに来たときはおれがぶっ飛ばす、と宣言までしてくれる。

なぜこの仲間をもっと早くから頼らなかったのだろうと少し後悔はしたけれど。

「Aちゃん、君は今日も相変わらず美しい」

「サンジ」

美しすぎて、おかしくなってしまいそう。と耳元で囁かれれば心臓がドクンと跳ねる。

女扱いはして欲しいと改めてお願いしたけれど、こんなに心臓に悪いことをしてなんて言った覚えはない。
真っ赤になった顔で睨んでやれば、そんな君も可愛いよと続けてくる。

「もしかして、今まで言えなかった分言ってやろうなんて考えてる？」

「ご名答、愛しのA」

サンジは意地悪そうに笑うと、私の腰を引き寄せて自分の胸の中へ閉じ込める。前に嗅いだタバコの香りが、次は優しくいい馨りとなって鼻腔を擽った。

父さん、おれは女として生きる

女としての自分を初めて見てくれたサンジが、おれが女であることを許してくれたから。

「サンジ...好きだよ」

「～～～～っ、それ反則」

顔を真っ赤にするサンジを胸の中から見上げる。彼が守ってくれるなら、どんな場所でも女として生きていけそう。

もう自分が女であることを後悔したりなんかしない。

君に素敵な口説き文句を言って貰えるなら

「君はなんて美しいんだ」

「それはどうも」

fin.