【ワンピース】 SHAMBLes fifth.【トラファルガー・ロー】

KID'S DAY ページ49

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「好きなだけ食え」

「い、いいんですか...こんなに豪勢な食事戴いちゃって」




私の前にずらり、と並ぶのはパスタやらローストビーフやらカルパッチョやら...
到底、魚メインのウチの船では出そうにない凝った美味しそうな料理



そう、ここはポーラータング号ではない

敵船...でも恐らく無い
私は別にこの船の主と敵対している訳ではないし



「ゴチャゴチャ言ってねェで、お前は好きなだけ食やいいんだよ」

「で、では...お言葉に甘えていただきます、ユースタス屋さん」




おう、と豪快に返事をして早速ローストビーフに手を伸ばすのはこの船の主

"ユースタス・キャプテン・キッド"

新世界での現在の賞金は4億7000万ベリー
私よりも7000万も上の額だ、流石としか言いようがない



そして、この豪勢な料理を振る舞ってくれたのが殺戮武人ことキラーさん

またまた新たなデザートの乗った皿を持ってくる彼は二年前とは別人のようにマッチョだ
フリフリのエプロンが何故か様になってる




「よく噛んで食べなさいよ」

「ううっ...ヴィクトリアパンク号にもいるんですね...お母さんキャラ」

「何アホ抜かしてんだ、お前」




何処にでもやっぱり一人はいるんだ、お母さんキャラ

ウチは専らペンギンくんだけど...まさか殺戮武人と呼ばれるキラーさんがこんなに料理上手だなんて

感動して涙がほろり、だ



そうしているうちに皿に乗っていたローストビーフやサラダも、あっという間に減っていく




「切断屋、お前女性の割には結構食べるんだな」

「そうですか？何だか恥ずかしいなぁ」

「はぁ？食い気のある女の方がいいに決まってんだろ、やっぱりお前気に入ったぜ」

「おれもたくさん食べてくれる方が作りがいがある」




もっと食え、と気を良くしたユースタス屋さんが私の皿に食べ物を乗せてくる

というか肉ばっかり...いや、肉好きだけど


こうなったらもう、やけ食いだと片っ端からバクバク食べていると二人は気を良くしたように他のクルーたちにも、もっと食べるように催促した



さて、なぜ私がユースタス屋さんの所にいるかというと

船をメンテナンスするからという理由で船から追い出された私が、たまたま彼に遭遇したのが始まりだったのだけれど...



まさか、こんなにおもてなしされるとは



ちびり、とワインを飲んでいればユースタス屋さんは上機嫌でもっと食事を勧めてくる

彼は悪いひとではないし、もう少しお言葉に甘えることにしよう




ハートの垣根を越えて、他の海賊と交流を図るのも中々オツだと真っ赤なワインを見下ろして

そう思った

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