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″行ってらっしゃい″
ふんわりした笑顔で言われたその言葉に、思わずニヤついてしまう。
「なに、なんかいいことあった?」
『あ、実紅』
「重岡さんとなんかあったんだね。
どれどれ、私に話してみなさい」
『いや、どんなキャラよ』
大毅くんのことを考えただけで、自然と笑顔になる。
そんな人と巡り会うって、奇跡に近いと思うんだ。
「へ〜、幸せそうじゃん」
『実紅だって。
あれから藤井さんとどうなったの?』
「…実は昨日、告白されましたっ!」
『なに、実紅だって幸せじゃん!』
「Aのお裾分けだよ〜」
『ふふ、なにそれ』
″それだけAの才能もあるんちゃう?″
大毅くんの言葉って、やっぱり魔法みたい。
次はもっとすごいのを作ってやるって、謎に意気込んでるような気がする。
『…よし、頑張ろ』
もう一度やり直し。
前のものは捨てて、デスクの上を綺麗さっぱりまっさらにしてやった。
先輩を見返せるくらい、また新しいのを作るんだ。
「いつにも増してやる気じゃん」
『大毅くんからの助言』
「うわあ、リア充」
『え、実紅に言われたくない』
ほとんど何もないデスクの上。
ど真ん中にパソコンを置いて、画面を開いた。
いつまでもグズグズしてられない。
切り替えて、またチャンスを作ろう。
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