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『…ん、……!!』
「んはは、おはよ」
『び、っくりした』
「寝顔めっちゃかわええから、つい」
『もう、やめて』
ぎゅっと握った手。
朝まで繋がれていたそれを、彼は起きても離さないでいてくれたらしい。
さすがに、目が覚めてすぐ、目の前にいたらびっくりするけど。
『おはよう』
「ん。起きる?」
『何時?』
「まだ五時」
『んー、起きようかな。
寝ちゃったらもう起きれない気がする』
「ふふっ、せやな」
まだ少しぼーっとする頭を起こして、大毅くんに連れられて寝室を出る。
あ、一緒のベッドで寝たんだっけ。
…なんか、今になって恥ずかしい。
「ん?どうした?」
『え?』
「ぼーっとしてたから」
『あ、ああ、何もないよ』
そう?なんて首を傾げても、可愛いな。
かっこいいと可愛いを併せ持つ人って、強いと思う。
『朝、食べる人?』
「んあー、俺走るから食べるかもしらん」
『ランニングするの?』
「体動かしたいねん」
『そっか。じゃあ普通にご飯炊くね』
「ん。ありがとうな」
よしよしと頭を撫でられる。
嬉しいなんて思う私は、犬の気持ちも理解できそう。
好きだなあ。
お兄ちゃんの服を何着か引っ張り出して着てもらったけど、やっぱりなんでも似合う。
寝室に着替えに行った彼の姿を見て、そう思った。
『…さて、頑張ろ』
味噌汁と焼き魚くらいならいけるかな。うん。
久しぶりにキッチンに立つ自分はきっと、いつもよりニヤけていた気がする。
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