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「なに緊張してるん?
ほら、ゆっくりでええから。な?」
立ち寄った公園は、昨日と同じ。
本当は今すぐにでも伝えたいけれど。
一日で、気が変わるなんて。
それもそれで軽いって思われそうで、怖い。
なのに重岡さんがそんなこと言うから、そんな怖さ、微塵もなくなってしまうんだ。
『…昨日の返事、ちゃんと、したくて』
うん、と優しく頷いてくれる重岡さんを見たら
好きが溢れてきた気がして。
ああ、重症だな、って。
キュンとする胸を抑えて、息を深く吸い込んだ。
『気づいたら、重岡さんのことばっかりなんです』
『仕事のミスも、全て励ましてくれるのは上司なのにそばにいてほしいって思うのは重岡さんで』
『ふとした瞬間に会いたいって思ったり、重岡さんの声が聞きたいって思ったり』
『重岡さんの隣に並ぶ価値はなくても、好きだって、隣にいたいって、思ってしまって…』
ぎゅっと握りしめたスカート。
パンツスタイルからスカートにいつの間にか変わったファッション。
いつ会ってもいいように、なんて。
馬鹿げた理由も悪くないかも。
恋をすると女は綺麗になる。
確かに恋をするとみんな、綺麗に見られたくて努力をするのかもしれない。
「俺の彼女ってことで、ええ?」
『…はい』
大好きな人に、大好きって言ってもらいたいもん。
「はあ、よかった、振られるかと思った」
『さすがに、その…
キス、を受け入れといてそれは、ちょっと』
「それが理由なん?」
『…いや、好きだから、です』
「ふふっ、よかった」
きゅっと絡められた指。
不確かなままの恋人繋ぎじゃなくて、今はちゃんと意味があって手を繋いでる。
それが、堪らなく嬉しくて、幸せで。
『重岡さん』
「はーい?」
『…大毅くん、って呼んでもいいですか?』
調子に乗ってみるけど、そんなの彼には効かないの。
「寧ろそれで呼んでや」
ちゅっと落とされたキス。
二人で照れて、笑い合って。
「A」
『なんですか?』
「好きやで」
こんなセリフも、言われたり。
『大毅くん』
「んー?」
『大毅くんの彼女って、幸せですね』
「…ふは、なんやねんそれ」
三度目の甘い口づけは、痺れるほどに幸せで離れたくなくて。
大毅くんの服をきゅっと握れば、更に深くするから。
とんとん、と胸を叩く。
「かわええな」
耳元で囁かれたら、赤くなるのも無理はない。
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