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誰と被ってるのか。
どこが被っているのか。
聞いても、教えてもらえなくて。
私が盗作したんじゃないかって疑ってるんだと思う。
「え、A?どしたの?」
『実紅、どうしよう、』
泣きそうだ。
初めて任せてもらえた大きな仕事でこんなことになるなんて。
結構、頑張ってたのにな。
「…今日の仕事は?」
『終わった、けど』
「よし。とりあえずもう出よう。時間も時間だしさ。
てことでお先でーす!」
『え、ちょ、実紅?』
はい、荷物持って。なんて言われて、訳も分からずにカバンとコートを持たされる。
そのまま手を引かれて、外へ直行。
混乱している私でも分かった。
実紅、私のことずっと心配してたんだ。
『実紅、っ、』
「ほらほら、吐き出すのはもうちょい我慢。
王子にでも会って元気出そう?ね?」
『うん…ありがとう』
「いーえー。私も流星くんに会いたいし」
『…ん?流星くん?』
「あれ、言ってなかったっけ?
ここのところずっとあそこで夕飯済ませててさ。
ちょっと言ってみたら仲良くなれた」
ほら、なんて携帯を翳す実紅。
その中には、「Ryusei」の文字が。
へえ、そうなんだ…ってなるか。誰よ。
驚きすぎて涙も引っ込んだわ。
『…もしかして、藤井さん?』
「正解」
『え!?』
「ふふっ、重岡くんにも会いたいでしょ。
ほら早く行くよー」
そう言えば、もう一ヶ月くらい会ってないかも。
それに気がついたら、会いたい気持ちは膨らんでいく一方で。
憂鬱な気持ちなんて忘れて、早く早くと急かす実紅と笑い合っていた
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