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#24 ページ24

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『んー、終わったあ…』





あれからなんとか部長にもOKをもらって、今日中の仕事は全て終わらせられた。

ふと横を見ると、誰もいない。


周りを見渡して気づく。
どうやら時間が大分過ぎていたみたい。


そんな必死だったのか。

誰もいないのをいいことに一人で苦笑いをこぼす。





『…静かだなあ』





どうせなら実紅が来るまで待ってようかな、なんて、置き去りにされたバッグを見て思う。


視界に入る実紅のデスクには、一週間前とは比べ物にならないくらい物が増えた。

膨大な量の資料に気づかなかった自分に、驚くほど。





『あ、実紅』

「A…」





デスクから顔をあげる。

打ち合わせでもしていたのか、顔を出す実紅はやけに疲れ気味。


壁に寄りかかっている実紅の顔色があまりに蒼白で、心配になって駆け寄る。

私を見る瞳は、微かに潤んでいるようにも見えた。





『ちょ、大丈夫?朝よりも顔色悪いよ?』

「大丈夫、すぐ治るよ、」





へらっと笑った実紅。
朝感じた違和感が確信に変わった。

やっぱり、体調悪いんだ。


とりあえず休もう。

そう声をかけようとした瞬間、支えようと回した手にぐっと負荷がかかった。





『え、実紅?』





声をかけてみても反応しない。

倒れたんだと分かるのに、数十秒はかかった。





「黒瀬?こんな時間までなにして…」

『部長、どうしよう、実紅がっ、』





暫く突っ立っていると、最後の見回りが終わったのか部長が帰ってきた。


何も考えられない。

真っ白になった頭で、目の前で起こったことを言葉にしていく。





「そっか、ごめんな、もっと早くに来てやれんくて」





泣きそうな私にそう微笑んで、崩れ落ちそうな実紅を軽々とおぶる。


こんなとき、頼りになる。
そんな人の見本はやっぱり部長だ。


朝、気づいてあげればよかった。

後悔の念に押し潰されそうになる私を察したように、部長が綺麗な手でまた私の頭を撫でた。





「気づかんかった俺にも責任はある。
あんまり自分責めんな」

『っ、でも、』

「黒瀬のせいやないから。
そこまで思うんやったら目覚ますまでついてやって」

『…は、い』





医務室までの道が遠い。

流れた沈黙に、抑えた涙が溢れそうになった。

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設定タグ:ジャニーズWEST , 重岡大毅 , 中間淳太   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:凜憧 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年5月9日 17時

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