「好き」をあなたに。

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「ぎゅって、したい」





顔をほんのり赤く染めて、小さく、本当に小さくそう呟くから。





『…どう、ぞ』





そう言って彼へもっと近づくしかないじゃない。


さっきよりもっと強く香る彼の匂いに頭が浮ついて、顔がちょっと綻んで。

仕事のことなんて忘れるくらいに、酔いしれていた。





『…いつも五歳児なのに』

「五歳ちゃうし」

『隠喩だよ』

「分かるか」





こんな俺は嫌なん。

そう言って私の肩に頭を押しつける。
そんな仕草が愛おしく思えて頭を撫でてみる。


子ども扱いすんなやって怒られたけど。





『どっちの大毅も好きだよ』





あ、少し鼓動が速くなった。

からかってみようかと思ったけど、離れるのは嫌で、そのままにしておく。


ふいに体が少し離れて。

大毅の方を見ると、少し大人っぽいキスが降る。





『だい、き？』

「やっぱ好きや」





そう言ってお得意の笑顔に。

照れさせるだけ照れさせといて、言い逃げはずるいよ重岡さん。





『大毅』

「なに？」

『…ありがとう』

「ん」





癒しは十分貰ったけど、愛はまだちょっと足りないのかも。

なんて思って、ちょっとだけ。





『ね、明日頑張ったらご褒美ちょうだい？』

「はあ？なんでや」

『好きだから』

「っ、だっ、アホ！」

『ふふ、待ってるね』





明日、ご褒美のために仕事頑張ろうかな。






「えくぼ。様
重岡くんに癒してもらう」

___Fin

『桃』流れるままに、あなた色。→←『赤』癒してほしいのです。

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