−2−え……私の幼馴染が呪ってたんですか…？【乙骨憂太】

突然の電話 ページ20

ある日のことである。




「おいA、スマホ鳴ってんぞ」

『ん？……あ、電話来てんじゃん』




スマホに表示されていたのは、【光に愛されし者(従弟)】の文字。いつもは夜なのに、こんな時間にかけてくるなんて珍しいなと思いながら電話に出ようとした瞬間………。



ブチッと切られた。……………はぁ？？？




『電話出ようとした瞬間切るとか、アイツあんなに性格悪かったか…？もしかして間違い電話？』

「待て待てちょっと待てまず【光に愛されし者】って誰のことだよ」

『従弟』

「何でそんな厨二病感溢れる名前で登録されてんの？？」




………それは、これを設定した中学2年生の時の私に聞いてください(目逸らし)




「それにさっきの着信音って何？？」

「工事現場の音にしては圧倒的な生命感が…」

「すじこ」

『いや何言ってんのラクダの鳴き声に決まってんじゃん』

「当たり前のように話すんじゃねぇよ。お前の常識って意外とズレてんだな」

『まあそうだね。いくら仲良くても、昔から呪術を知っていたキミ達とつい最近呪術を知った一般人寄りの私とでは常識に違いがあるのかもしれない』

「それ以前の問題だわ」

「高菜」




そう話していると、再びかかってくる電話。【光に愛されし者】の文字を見て通話のボタンを押すと、今度はちゃんと繋がった。さっきのは一体何だったんだ。



『ちょっと電話出てくるわ』とだけ告げて教室を出ると、スマホを耳に当てる。




『もしもし？』

《あっA生きてたんだな》

『お前は私がすぐ死ぬような所で生きてると…』




思ってんの？？と続けようとして、あながち間違ってないことに気づいて口を噤んだ。そういや私、呪術師っていう何時死んでもおかしくない職業に就いてたわ(今更)



突然黙り込んだ私の耳に《どうしたA？》と不思議そうな声が届く。一般人である従弟はこちらの世界に巻き込んではならない。そう感じた私は、『んーん。何にもなーい』と明るく声を出した。









(お前の平穏だけは絶対に)

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