着ぐるみと名前 ページ7
「＿＿ひぃいい……」
声にならない悲痛な叫び。
……正確に言えば 声は出ているのだけど、まるでゾンビのような呻き声が救護室に響いた。
それもそのはずで、私の掌には消毒液の染みた棉が
ポンポンと押し当てられている。
「すぐ終わるんで」
「ひい……」
イケメン君の優しい声と、掌の痛みが混じって良く分からない。
傷口から消毒液が入り込んで、掌全体に伝わっていくような感覚。
「いぃっ、たぁ……」
「終わりっす」
痛みのせいで時間感覚は無くなっていたけど、
案外早く終わった事だけには気付いた。
彼は救急箱を棚にしまって、大口を開けて欠伸をする。
乱暴に椅子に座ると、彼はポケットから 某猫をモチーフにしたキャラクターの絆創膏を擦り傷に貼った。
「あ、ありがとうございます……」
ギャップ、ってやつなのかな。
疑問で仕方がなかったけど、さすがに初対面で聞く勇気はない。
それの代わりとして、その絆創膏を まじまじと見つめる。
何度見ても、彼が持つようなものじゃない。
すると、彼が突然に
「それ、妹から貰ったんすよ」
と、声を発した。
いきなりの事で、一瞬体が反応する。
けど、妹から貰ったという事実で口元が緩んだ。
面倒見の良い兄だろうな、と 勝手に想像を広げる。
「そうなんですね。妹さんとは、仲が良いんですか？」
「いや、まぁ……」
想像は隅に追いやり、疑問を発する。
彼は照れくさそうに頭をポリポリとかいた。
その瞬間、まるで矢が放たれて私の心臓に刺さったみたいな感覚が襲ってくる。
これは彼の新しい一面を見たという合図みたい。
それを理解するのは、何だか恋心を認めているような気がして嫌だったけど。
「そういえば……お名前は？」
私がそう聞くと、彼は鼻で笑って
�狠紊阿襪澆涼罎凌佑量樵亜�普通聞きます？��
と、悪戯っ子のような声音で言った。
私は恥ずかしくなると同時に動揺して、喉の奥で
言葉が詰まる。
「え、あっ、その……」
「すいません、俺は
着ぐるみの色と同じ、青がつく名前。
最初から着ぐるみに包まれて生まれてきたんじゃないかな、なんて冗談混じりに思うと笑みが溢れた。
「どうしたんすか」
「すみません、何でもないです」
そう言っている間にも、肩の震えが止まることはない。
不思議に思う青真さんを何とか誤魔化そうと、私は別の話題に移した。
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神應寺 将輝＠白狐＆雪犬(プロフ) - 自由自在に色変わる＝カメレオン (2018年2月2日 18時) (
レス) id: fc6b8aa6a8 (このIDを非表示/違反報告)
れやーと(プロフ) - 神應寺 将輝＠白狐＆雪犬さん» 毎度毎度コメント有難いです…！ なるほど、その考え方もあるのですね。ちなみに私は、自分に合った色に染まりたいです。期待だとか、夢の色だとか……何かの言葉通りじゃなく、自分自身が表せるような色です。要約すれば 自由自在に色を変化させていくって事ですね。 (2018年2月1日 3時) (レス) id: 560fb3554a (このIDを非表示/違反報告)
神應寺 将輝＠白狐＆雪犬(プロフ) - 何色に染まりたいか。僕は黒だな。孤独の色 (2018年2月1日 0時) (レス) id: 29ea05fe68 (このIDを非表示/違反報告)
神應寺 将輝＠白狐＆雪犬(プロフ) - 応援頑張ります(。・ω・。)ゞ (2018年1月19日 14時) (レス) id: b4c20837f1 (このIDを非表示/違反報告)
れやーと - 神應寺 将輝＠白狐＆雪犬さん» コメントありがとうございます〜！！ちょっとそのお話は自信がなかったんですけど、切ないと言っていただけて何よりです（笑）これからも応援宜しくお願い致します！ (2018年1月17日 18時) (レス) id: 560fb3554a (このIDを非表示/違反報告)
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作者ホームページ：http:/ 作成日時：2017年12月6日 19時
