アイツ ページ3
さよなら
もう戻りたくないよ
単なる文字達の羅列にしか、見えない。
でも……この言葉達は、私の武器となった。
浮気癖のある彼から逃げるための……
「Aたんー！
……はっ、まさか男センサーが反応したのか？！」
「お待たせ致しました、コーヒーでございます」
まるで私の正気を取り戻させるかのように、タイミング良く店員の声と エリ先輩の声が被る。
ふっと我に帰ると、珈琲の香りがカフェ全体に立ち込めていた。
「男センサーは発動してませんけど、考え事はしてましたよ」
「また、考えてたのー？アイツの事」
髪を耳にかけてから、ゆっくりと頷いた。
すると、エリ先輩は いきなり声を張って
�爐△鵑陛曚了�、もう忘れちゃいなよー！��
と、励ますように肩をバシバシと叩いてきた。
私は 少し遠慮気味に微笑む。
自分から断ち切ったはずなのに、
近付きたくないくらい嫌いだったはずなのに
どうしても、アイツを忘れられない。
八割が悪い意味で……二割が良い意味で。
こんな事言ったら、先輩は良い意味なんてアイツにはないと怒るだろうな。
「そういえば、エリ先輩は」
「彼氏なんて出来るわけないよね」
私の二言三言で察したのか、足を組みながら答えたエリ先輩。
私が ふっと笑うと、彼女は
「まぁ出来なくても ダイジョーブ！
Aたんがいるからね！」
「性別転換はしませんからね」
「えっ、ヒドイ」
「ヒドイ？！」
私の反応をケラケラと笑って、
彼氏の話題からは上手く逸らした。
「えっ、角砂糖そんなにいれるんですか？ 糖尿病になりますよ？」
「分かってないなぁ、A君」
「女ですからね？」
二人の会話に聞き耳を立てる店員さん達は、微笑ましそうに口元を緩めた。
合点が合ってしまうと、そそくさと厨房内に入ってしまうのが不思議だけど。
そんなに顔が怖いかな、なんて思いながら 頬をほぐした時。
「そうだ！
この前、友達から動物園チケットもらったんだけど……一緒にどう？」
二枚の紙切れをちらしながら、彼女はそう言った。
少し迷うように顔を歪めたけど、
「今からなら良いですよ」
渋々ついていく。
大半の理由は、エリ先輩の誘いを断ってしまうと、一日中ひっつき虫のようになるから。
多少の悪あがきとして条件をつける。
彼女は ふふんっと鼻を鳴らしてから、
「よおし！
そうと決まれば、早速出発だー！」
と、自慢気に声を上げ、腰に両手を添えた。
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神應寺 将輝＠白狐＆雪犬(プロフ) - 自由自在に色変わる＝カメレオン (2018年2月2日 18時) (
レス) id: fc6b8aa6a8 (このIDを非表示/違反報告)
れやーと(プロフ) - 神應寺 将輝＠白狐＆雪犬さん» 毎度毎度コメント有難いです…！ なるほど、その考え方もあるのですね。ちなみに私は、自分に合った色に染まりたいです。期待だとか、夢の色だとか……何かの言葉通りじゃなく、自分自身が表せるような色です。要約すれば 自由自在に色を変化させていくって事ですね。 (2018年2月1日 3時) (レス) id: 560fb3554a (このIDを非表示/違反報告)
神應寺 将輝＠白狐＆雪犬(プロフ) - 何色に染まりたいか。僕は黒だな。孤独の色 (2018年2月1日 0時) (レス) id: 29ea05fe68 (このIDを非表示/違反報告)
神應寺 将輝＠白狐＆雪犬(プロフ) - 応援頑張ります(。・ω・。)ゞ (2018年1月19日 14時) (レス) id: b4c20837f1 (このIDを非表示/違反報告)
れやーと - 神應寺 将輝＠白狐＆雪犬さん» コメントありがとうございます〜！！ちょっとそのお話は自信がなかったんですけど、切ないと言っていただけて何よりです（笑）これからも応援宜しくお願い致します！ (2018年1月17日 18時) (レス) id: 560fb3554a (このIDを非表示/違反報告)
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作者ホームページ：http:/ 作成日時：2017年12月6日 19時
