想いを乗せた言葉 ページ13
「＿＿あれ？」
「……あ」
ショッピングモール内の某有名ハンバーガー店から帰ろうとすると、見覚えのある顔。
スラッとした手足に、シャープな顎ライン。
……まさか、と思うには もう遅い。
「青真君？」
「……うす」
さっきのデジャヴ感を生み出した、張本人。
……簡単に言えば、この間の着ぐるみの中の人。
いや、この紹介の仕方も凄いけど。
「あ、えっと……その、元気だった？」
辛うじて絞り出したのは、テンプレートみたいな
言葉。
青真君は�爐呂き瓩� はっきりした返事を口にする。
ぎこちない空気が流れているのは、きっと私の周りだけなんだと思う。
「何か、買ったんすか」
「あ……罰ゲームで」
「罰ゲーム？」
その単語を聞いた途端、クスクスと笑う青真君。
緊張の糸が切れて、私の口元はふっと緩む。
青真君の手元を見れば、ネギなどの野菜が入った重そうな袋。
「そう。幼馴染とゲームで勝負してさ。
青真君は、夕飯の買い出し？」
「あぁ、はい。妹達の為に」
「そうなんだ」
午後からゲームしていたせいか、すっかり西の空は赤色に染まっている。
そろそろ肌寒くなる時間帯が近付いてるからか、二人とも厚着だ。
「……どっか、回ります？」
「えっ」
「まだ時間はあるんで」
断る理由があるとしたら、一つだけ。
橙を待たせてしまうなんて、いつもじゃ気にしない事。
けど、青真君の誘いを断ろうとは思わなかった。
「う、ん」
橙とは、さっきの雰囲気じゃ居づらいから……
大丈夫、少し買い物するだけ。
自分の中のモヤモヤを払拭しようと言葉を選ぶけど、どれもバリアに弾かれる。
「人多いっすね」
「そうだね、火曜日だからかな」
力ない笑い方をする私を、横目で見る青真君。
�爐瓦瓩鵑有瓩覆鵑禿眛佑妨世�うとは思わなくて、さっきと同じような空気が流れた。
その空気の中を通り抜けたのは、
「……ちょっと、寄り道します」
彼の言葉だった。
突拍子も無い言葉に驚く私。
彼の顔をじっと見つめる。
「来てください」
ぎゅっと手を握られ、そのまま私を連れ出すように歩く青真君。
大きな背中が、遊園地での事を思い出させた。
そこだけオレンジ色に染まるみたいに、少しだけ握った手が暖かい。
今の自分がどんな気持ちを抱いているかなんて、
とっくに気付いてる。
けど、それを彼の顔を目の前にして口に出す勇気はなくて……。
「好、きだよ」
届いてくれと想いを乗せた言葉は、
ガヤガヤとした周りに呑み込まれていった。
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神應寺 将輝＠白狐＆雪犬(プロフ) - 自由自在に色変わる＝カメレオン (2018年2月2日 18時) (
レス) id: fc6b8aa6a8 (このIDを非表示/違反報告)
れやーと(プロフ) - 神應寺 将輝＠白狐＆雪犬さん» 毎度毎度コメント有難いです…！ なるほど、その考え方もあるのですね。ちなみに私は、自分に合った色に染まりたいです。期待だとか、夢の色だとか……何かの言葉通りじゃなく、自分自身が表せるような色です。要約すれば 自由自在に色を変化させていくって事ですね。 (2018年2月1日 3時) (レス) id: 560fb3554a (このIDを非表示/違反報告)
神應寺 将輝＠白狐＆雪犬(プロフ) - 何色に染まりたいか。僕は黒だな。孤独の色 (2018年2月1日 0時) (レス) id: 29ea05fe68 (このIDを非表示/違反報告)
神應寺 将輝＠白狐＆雪犬(プロフ) - 応援頑張ります(。・ω・。)ゞ (2018年1月19日 14時) (レス) id: b4c20837f1 (このIDを非表示/違反報告)
れやーと - 神應寺 将輝＠白狐＆雪犬さん» コメントありがとうございます〜！！ちょっとそのお話は自信がなかったんですけど、切ないと言っていただけて何よりです（笑）これからも応援宜しくお願い致します！ (2018年1月17日 18時) (レス) id: 560fb3554a (このIDを非表示/違反報告)
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作者ホームページ：http:/ 作成日時：2017年12月6日 19時
