二郎ちゃんの難解な恋-13 ページ14
思わず、目を逸らそうと下に向けるとAちゃんの唇が目に入った。
…くっつきそう。
したい…かも。
二郎「(…て、いきなりヤバいやつじゃん。俺。)」
A「ん。取れたよ?」
二郎「あ、ありがと。」
離れていくAちゃんの体ごと抱きしめて引き止めたい、そう思ってる自分に理性をかけて普段通りの装いをした。
A「じろーくん。」
二郎「?」
A「さっきから私の事見てる。」
はい!?
いや見てたけど。
横目で見てただけだし…!
なんで分かったんだろ…?
えっ、とAちゃんを見ると、見られていたことに気づいてたからなのか、照れ顔で見上げてきた。
A「じろーくんなら、いいよ?」
二郎「え…?」
なにが!?!?
キスのこと言ってんのかな…。
俺さっきガン見しちゃったし…。
いや…でも、今日まともに喋ったくらいなのにいきなりこんな展開は…。
キスはまだ早いッ!!!
A「……、手繋ご?」
二郎「だめ…えっ?」
A「だめ?」
え?
キスじゃねーの?(脳内思春期)
え、まあ。
キスじゃねーなら、いいか。
手ぐらい。
二郎「手ぐらい、いいけど。」
A「うん。」
きゅっと繋がれた手は、指と指をお互いに交差させた繋き方。
…俺これ知ってる。
恋人繋ぎってやつだ…。
ん?
なら、付き合ってもねーのに手繋ぐのも可笑しくねーか?
やばい、さっきキスのことばっか考えたせいで基準がガバガバになってる。
…いやでも、まぁ。
Aちゃんと手繋げた方が嬉しいからいいや。このままで。
…そんな夢のような時間もすぐに終わりが来た。
ただ帰ってるだけだから、Aちゃんを駅まで送ったら解散。
明日も会えるけど、今みたいな2人だけの時間はこれからいつ来るのか分からないし、これから来るのかも分からない。
もっと距離縮めようと思ってたのに。
向こうからなにか言ってくれないかなと期待した分、最後にあっさりと帰っていったAちゃんに寂しいと思ってしまった。
明日、喋れるかな。
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作者名:リドル | 作成日時:2020年1月30日 23時