親友以上、恋人未満【東卍】 (ページ18)

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夜の道路を愛車で走る。

この時間だから車は殆ど無く、オレとケースケ、それに千冬は三人でならんで愛車を走らせていて。

勢いがあるからか、先程とは違って強い風が正面から当たって涼しさがある。

「抗争の日、祭りの日か…」

そう小さく呟く。

昔から多忙だった両親は、同じ家で生活はしていたものの祭りに一緒に行った事なんて片手で数えられるくらいしか無くて。

いつも母さんと父さんがオレに謝っていた記憶がある。

「いつも仕事でごめんね」って言われてたけど、オレには謝られる意味が理解出来なかったからいつも「気にしないで」なんて言っていた。

今年は、千冬と。…ケースケと。

祭りに行けたらいいなって思ってた矢先に抗争で。

少しだけ悲しい感じがする。

「ア？A、祭り行きてえの？」

右横からの声に顔を向ければ、ケースケがオレを見つめていて。

「…んー、行けたらいいなくらいだし。それに、何よりパーが最優先だろ？」

先程の思いなんて全部かきけす。

オレらは、パーのダチの敵をうつために抗争に発展しているんだから。

例え年齢差があろうとも、オレら"東京卍會"は最強の暴走族(チーム)だから。

「…ふーん」

自分から聞いてきたくせに興味無さげに答えるケースケ。

千冬はその空気に耐えかねたのか、近くにあるコンビニに行こう、と持ちかけ出した。

勿論、オレとケースケは喜んでコンビニに行ったケド。

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