その男、公安委員につき②【ヒロアカ】 (ページ9)

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「イレイザーの抹消です！今のうちに一気に仕留めましょう！」

　ヒーローたちにそう声を掛けると、「おう！」「分かった！」と返事が聞こえ、状況が一気に覆る。

　俺は個性が残っている敵(ｳﾞｨﾗﾝ)の相手をしながら、ひと際大きい敵(ｳﾞｨﾗﾝ)へ近づき、背後から全力で蹴りを入れる。

　咄嗟にガードされたが、ダメージは通っているはずだ。

　少し距離を取り、敵(ｳﾞｨﾗﾝ)の大振りを見て一気に距離を詰め、再度蹴りを入れる。

　だが、ビクともしない。俺はすかさず距離を取り、姿勢を低く構える。

「なんだ、ガキじゃねぇか。ここはガキの遊び場じゃねぇぞ！」

　そう言いながら距離を詰めてくるが、デカいからかそこまでのスピードはない。

　1発でも貰えば無事ではないだろうが。

　距離を詰めながら大きく振りかぶる敵(ｳﾞｨﾗﾝ)の重心を見て、逆方向に避ける。慌ててこちらに攻撃を振り直す際に、僅かだが隙ができた。

　一瞬グラついたタイミングに合わせて、重心の脚を思い切り蹴る。

　すると、巨体の手が地面についた。

　すかさずジャンプし、腰を捻って、首を目掛けて蹴りを入れる。巨体は地面に伏し、動かなくなった。

　それを見た周囲の敵(ｳﾞｨﾗﾝ)が逃げ出すが、他のヒーローと赤い羽根が対処してくれた。

　かくして、甚大な被害を出しながらも、6日間に及ぶ攻防戦が幕を閉じた。

　警察が敵(ｳﾞｨﾗﾝ)を拘束し、ヒーローの手によって巻き込まれた市民の救助が始まった。

　ホークスとイレイザーの方へ振り返ると、2人がゆっくりと近づいてくる。

「カイト、お疲れ」
「……」
「ホークス、イレイザーさん、お疲れ様です」
「一先ず、市民の救助に行こうか。カイト、まだ飛べる？」
「うん」
「じゃあ、ちょっと離れた所に行こう。俺が探すから、力仕事は頼んだよ」
「分かった」
「イレイザーさんはこの辺をお願いします」
「……分かった」

　イレイザーと別れ、ホークスと少し離れた被害現場へ向かう。

　2時間ほど市民の救助にあたり、あとは現地のヒーローと警察に任せることになった。

　ホークスと一緒に、先ほどイレイザーと別れた場所へ向かう。

　来るときは明るかった空も、今は茜色が広がっていた。

「公安への報告は俺がしとくよ。イレイザーさんに色々話さなきゃでしょ？」
「うん、お願い」
「はいよ」

　ホークスと別れ、先ほどイレイザーと別れた場所へ向かった。