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「あぁ……俺、そもそもヒーロー免許持ってないんで、特務派遣員としてじゃないと、個性使えないんですよね」
「え、カイトくんヒーロー免許持ってないの？」
Mt.レディが驚いた表情で聞いてきた。
「実は持ってないんです。特別免許があれば任務には出れるんで、今はこれで満足してます」
「今はってことは、いずれは免許取るのか？」
「そうですね……その方が活動の幅も広がりますし、多くの命を救えると思うので」
俺がそう答えると、「じゃあその時は俺の事務所来いよ」とデステゴロが笑っていた。
Mt.レディも「え〜、私がカイトくんを雇う〜」と手を上げ、シンリンカムイは「カイトが来てくれたら、正式に事務所を設立しようかな」なんて言っていた。
俺は「ありがとうございます」と遠慮がちに笑い、そろそろ巡回に戻りますね、と席を立った。
休憩室を出ると、近くにいたヒーローに声を掛けられ、何人かに囲まれた。
「カイトくん、北側から巡回頼んでいい？ 僕、南側から巡回するから」
「了解です。お願いします」
「カイト〜！ この前のヴィラン退治、お前がいてくれて助かったよ！」
「こちらこそ、早くに連絡を頂けたおかげです。またお願いします」
「カイト、先月現場で会ったの覚えてる？ お前が来てくれなかったら危なかったわ」
「もちろん覚えてますよ。間に合ってよかったです」
今回の警備で多くのヒーローと交流するようになってから、「現場で会う時は話しかけにくかったけど、ちゃんと話してみたら意外と話しやすい」とか、「礼儀正しく、謙虚で良いヤツで気兼ねなく話せる」と、俺の印象が一気に広まったようだ。
軽くヒーローたちと話をして、「そろそろ巡回に戻ります」と言ってその場を抜けた。
「ターイムアーップ！ 第二種目、騎馬戦終了！」
モニターからマイク先生の声が聞こえ、上空からモニターの方を見る。
「んじゃあ早速！ 上位4チーム見てみようか〜！
1位、轟チーム！
2位、爆豪チーム！
3位、てつてt……アレッ？！ オォイ！ 心操チームゥ？！ いつの間に逆転してたんだよ〜！
4位、緑谷チーム！
以上の4組が！ 最終種目へ！ 進出ダァ！！」
轟と爆豪は予想通りだが、緑谷も残っている。
……最終種目、面白そうだな。
「それじゃあ、1時間ほど昼休憩挟んでから、午後の部だぜぇ！ じゃーな！ ……オイ、イレイザーヘッド、飯行こうぜぇ」
「……寝る」
「ヒュゥ〜」
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作者名：玲央 | 作成日時：2021年10月7日 21時
