その男、公安委員につき②【ヒロアカ】 (ページ2)

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その男、報告ページ2

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【雄英高校における不審人物との接触報告】

　4月某日。

　12時過ぎ。雄英高校のセキュリティ3が突破されたとのアナウンス有。雄英敷地内にて、多くのマスコミと不審人物を発見。

　雄英のバリアーが何者かの手によって破壊され、マスコミが殺到。プロヒーローのイレイザーヘッドとプレゼント・マイクが対応。

　付近で体に幾つかの手を身につけた不審な男性と接触。

　また、同時に黒いモヤを纏い、バーテン服を着る男性とも接触。この男の個性と思われるものにより、2名はモヤの中へ忽然と姿を消した。

「数日後、再び来る。今度は大軍を引き連れて」との言葉を残している。合わせて、「誰にも言うな」と、脅迫とも取れる言葉も残している。

　根津校長へ上記2名と接触したことを除き報告済み。後日、職員会議にて議題とするとのこと。

　また不審人物との接触に際し、個性の使用を想定し、公安委員長より根津校長へ公安としての身分について通達有。

　こちらは根津校長にのみ共有済み。他の教員には口外しないよう要望した。

　報告者鳶嵩

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　自室で報告書を書き上げ、上層部へ提出する。

　椅子に座ったまま伸びをすると、不意に自室のドアが開いた。

「A～、いる？」
「いるよ、ていうか啓悟さんこそこっち来てたんだ」
「急な要請で明日から北海道なんだよね～。だから今日はここに泊まり」

　そう言って俺の自室に何の躊躇もなく入ってくる。俺も気にせずに言葉を続ける。

「北海道か……九州から北海道ってまた随分と遠出だね。そんなに大変なんだ？」
「ヒーローの数が足りてないんだって。Aは今からトレーニング？」
「だから啓悟さんか。そう、軽くシャワー浴びてから4階に行こうかなって」
「じゃあ俺も参加しちゃおうかな」
「要請あるなら1対1はナシだね。すぐ浴びてくるから待ってて」
「はいよ～。ごゆっくり」

　啓悟さんはそう言って、ヒラリと手を振る。

　昨日の戦闘訓練での講評を思い出し、トレーニングメニューを練りながらシャワーを浴びる。

　トレーニングウェアに着替え、2人で地下4階に向かう。

「今日は何すんの？」

　体を解しながら、啓悟さんに言葉を返す。

「個性を戦闘に組み込みたくてさ。いつまでも身体だけに頼るわけにもいかないし」

　そう言って、啓悟さんから意見を貰いながらトレーニングに励む。

　しばらく体を動かし、再びシャワーで汗を流して、2人で眠りについた。