【ツイステ】運命の人は鏡越しに［アズール･アーシェングロット］

お腹すいたね ページ10

お昼時。

｢んん……よく寝た気がする……アズ、は……まだ寝てるか｣

｢…………ん……｣

｢綺麗な銀髪。青の瞳……朝日に連れて行かれそうだなぁ……｣

｢…………あの｣

｢へ？｣

｢聞こえてるんですけど……｣

｢……いつから起きてたんだよ｣

｢Aさんが起きる少し前ですね｣

｢寝顔見てたの？散々見た癖に｣

｢うるさいですね。番の寝顔がこんなにも愛おしいとは思わないじゃないですか｣

｢はいはい｣

｢軽く流すな｣

｢お腹空いたなぁ……あ、布団返して。帰るから｣

｢休みなんでしょう？ここに居たら良い｣

｢流石に両親が生存確認しに来るだろ｣

｢実家暮らしなんですね｣

｢うん。だから、実家の鏡だよ｣

｢近いうちにご挨拶に行きましょう｣

｢気が早い。結婚する気は無い｣

｢契約したのに？｣

｢はぁ〜？やっぱり〜？お前、ホント、そういうとこ……はぁ……｣

｢騙される方が悪い｣

｢はいはい。てな訳で戻るよ？｣

｢……はい｣

｢いや離せよ｣

｢両手は離してます｣

｢こんのタコ。触手！｣

｢さぁ〜？自力で逃れてみては？｣

｢も〜……わかった。じゃあ布団敷くまで手伝って。んで、両親に顔見せに1階行ってから戻って来るから｣

｢……両親にご挨拶は？｣

｢行かんでいい！彼女振ったことも話してないのに！｣

｢おや、そうでしたか｣

｢ついでにスマホと充電器持ってくる｣

｢じゃあ、その間に布団の用意はしておきましょう｣

｢助かる｣

鏡を抜け、アズールが布団を敷く。
その間に、Aは階下に降り、家族と挨拶を交わして自室に戻って来る。

｢早かったですね｣

｢アズの方こそ。この世界に魔法は無いから苦労するでしょ？｣

｢使えない事はありませんよ。ほら｣

｢おぉ、すげぇ｣

｢はい、充電器とスマホ持って｣

｢ご飯……｣

｢僕が作りますよ｣

｢肉まんとか、カップラーメンでいいよぉ｣

｢イデアさんですか、あなたは｣

｢オタクだからね。ライトだけど｣

｢そうですか｣

｢あっ！煙草！｣

｢僕の部屋では吸うな！｣

｢冗談だよ。たまにしか吸わないし｣

｢はぁ……ほら、お手をどうぞ｣

｢はいはい、ハニー｣

｢｢はい｣は一回ですよ、ダーリン｣

｢乗ってくれるんだ？｣

｢あなたのノリには慣れました｣

｢嬉しい誤算だね｣

｢でも手料理は食べてもらいます｣

｢なら、ピーチツリー持ってきたい｣

｢ああ、もう！さっさと持ってこい！｣

｢ボトルキープしてていい？｣

｢隠れてしてくださいね｣

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