東京卍リベンジャーズ (ページ47)

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46話ページ47

「パーちんが負けたと思ってるやつ、全員出てこい。オレが殺す。東卍はオレのモンだ。オレが後ろにいるかぎり、誰も負けねぇんだよ」

笑いながら告げる佐野に、愛美愛主は怖気付く。

「すごい！！佐野、ヤバ！！……あ、マイキー」

「日本語喋りなよ、渾名」

私は佐野に駆け寄ると、怪我がないかを確認した。

「心配いらなかった、良かったよ」

「ん」

長内を1発でしずめるとか、佐野ってめっちゃ強いんだね。

「ゴメンケンチン……やっちゃった」

「しょうがねぇなぁ、マイキーは」

笑う2人。私はそこから離れると、長内に近づいた。彼の近くには中身のないビール瓶がある。なんでこんなとこにあるんだろ？と思って拾おうとすると、突然、長内が動いた。

「うわっ！」

「渾名？……渾名！！？」

片手にビール瓶を持った長内は、空いている方の手で私を引くと、ビール瓶を思いっきり私に殴りつける。そして割れたビール瓶を持つと、佐野に向かっていった。

まあ、咄嗟にドラケンが前に出て佐野を庇ったけど、私が1番驚いているのは、ビール瓶が人の頭で割れるってこと。

え、つか、血流れてね？破片刺さってね？え……私死なない？

「渾名！！？」

「あー、大丈夫。生きてる」

よかったと息をつく佐野。前で長内を押さえたドラケンが叫ぶ。

「テメーらの頭は東卍のマイキーがノシた！！！文句ある奴いるかぁ！！？」

愛美愛主は何も返さない。

「いねぇなら……今日から愛美愛主は東京卍會の傘下とする！！！」

すごい……勝っちゃった。こうやって東卍はでかくなっていったのか……。私が頭から流血してなかったら、めっちゃカッコ着いてたんじゃね？

「渾名、立てる？」

「立てる立てる」

地面に手を置いてよっこらせっと立ち上がる。多少ふらつくが、まあ、問題は無いだろう。

垂れてきた血を拭うと、遠くからパトカーのサイレン音が聞こえてきた。

「ヤベ警察だ」

「オレらの勝ちを祝いに来たのか？」

「逃げんぞ！渾名！」

笑う3人に頷く。

「おい！愛美愛主！！自分らだけ逃げようとしてんじゃねぇよ。長内にも肩貸してやれ！」

……だが、何かがおかしい。何かが引っかかる。長内は、「抗争はキッカケに過ぎなかったんだ」と言っていた。今の状況からは、佐野とドラケンがバチるようには思えない。

……って、あれ、パーちんは？意識まだ飛ばしてるの？

「テメぇだけは許せねぇんだよ、長内」