33話 ページ34
その場に座る佐野と、軍人見たく姿勢を正して立つドラケン。つか、愛美愛主って？？
「渾名に教えてやれ」
不思議そうにしていると、ドラケンが三ツ谷に言った。三ツ谷は返事をすると、私の方を向いて説明を始める。
「愛美愛主はオレらの2つ上の世代で、新宿仕切ってる暴走族だよ」
「え！？東京仕切ってるのって、東卍じゃないの！？」
「東卍は渋谷ネ、新宿は別。それにまだ東卍は新しいチームだしな。東京統一は、まだ先」
実現させる予定なんだ。つーか、新設でこの数はやばね？？
「んで、抗争っていうのが……」
突然、誰かに背中を蹴られた。とっさのことで反応出来ず、地面に手と膝を着く。
「痛って……何すんのさ」
「あ？文句あっか？」
「は？大ありに決まってんじゃん。なんで蹴ったの、理由言ってよ」
空気が凍った。……あれ、この人たち、トップの人たち？？
「喧嘩賭博の件でウチのキヨマサが世話になったのう！」
「どー落とし前つけんだコラ」
話通じねえな！！
「理由言えっつってんじゃん！！つか、悪いのはキヨマサでしょ？んの野郎、ウチのタクヤ殺しかけたんだよ？……思い出すだけで憎たらしい。
やっぱ殺した方がいいんじゃない？？つーか、アンタの隊の人間なら、ちゃんと面倒みろや！おかげで体は大痣だらけだわ、こんにゃろ」
立ち上がって2人を睨む。
「一個人の意見だけど、喧嘩で金稼ごうとするアイツが悪くね？？私が悪い理由は？？バカでもわかるように説明してよ」
だって、私、悪くなーいもん。悪いのアイツだし。
「あ！？」
「だあーから！！凄むだけじゃなくて、ちゃんと説明しろって！！」
「あ？オレぁバカだからわかんねーんだよ、ンなコト」
「パーちんの脳みそはミジンコだぞコラ」
「なんっなんだよ！！通じない！！」
「オマエ、なんでキレてんだよ」
「……っだあああ！！！」
ストレスでハゲる！！なにこれ、私が悪いの？？つか、三ツ谷、笑いこらえてないでヘルプして？？私ここで倒れるよ？？
「パー、マイキー話してるから、後にしろ」
「後なんかなくていいわ！」
「渾名も黙っとけ」
私への当たりきつくね？？ねえ、なんで？？
「チッ……」
いや、謝って？？
「許してやってくれよ、渾名。パーは今気ィ立ってるからよ。まあ、オマエも気ィたってる見てえだけど」
「ストレスでハゲ死ぬかと」
「そりゃあ、傑作だな」
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作者名：くー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Qoo01411/
作成日時：2022年7月4日 20時
