15話 ページ16
私が叫んだことにより、ザワつくクラス。いっその事、拉致られたーって叫んでやろうか。
「オマエら全員ここに並べー」
佐野が出てくると、ドラケンが倒れた先輩達に言った。恐怖を植え付けられたのか、綺麗に並ぶ先輩たちの上を、2人は軽く跳ねながら歩く。
先輩たち、いくら私でも、この人ら止めれませんから、頼むから、そんな目で見ないで？？
「神泉でUSGが幅利かせてるらしーよ」
「いーじゃん。ぶっ飛ばしにいこうよ」
……やっぱ、東京卍會のトップの佐野はイカれてんな。2番目のドラケンもそうだけど。つーか、なんで2人仲良さそうなのに、未来では一緒じゃないんだ？
「元気してた？」
ドラケンに肩を組まれて聞かれる。
「昨日の今日だよ？」
つか、おめーわ。
いつの間にやら人の橋を抜けて、玄関近くにいる。佐野たちが通り終わると、教室から生徒と先生が出てきた。
おい、今、授業中。
「今日ヒマだろ？」
「いや、まあ、佐野のために暇にはしました」
「佐野じゃなくて、マイキーな。ちょっと付き合えよ」
「うっす」
これはチャンスだ。佐野にゴマすって媚び売って、佐野の隣に立てば、稀咲との接触妨げれるんじゃね？やっっだ、私って天才！！
「んじゃ、行こっか」
佐野が言うと、後ろから「ちょっと待って」と私らを呼び止めるヒナの声がした。……ん？ヒナ？？
「あン？誰だお前？」
「え、ヒナ？なにしてんの？まさか、叫んだから気を使わせちゃった感じ？？」
ピクリとも顔を動かさないヒナ。……こりゃあ、相当怒ってんな。
「マジごめん。今度埋め合わせするから！カフェでも遊園地でもなんでもいいからさあ！！」
マジ、ここ運命の分岐点だから。
私はヒナを見る……が、あることに気づいた。
ヒナ、私の事見てなくね？……思った時には遅く、ヒナはいつの間にか佐野に近づくと、佐野の頬に強烈なビンタをかました。
「ああああ！！！？イケメンの顔に傷！？」
めっちゃ綺麗な紅葉じゃん、ウケる……じゃなくて、やばくね？普通に。
「ちょ、ヒナ？？」
「Aちゃん行こう！こんな人たちの言いなりになっちゃダメだよ、ヒナが守ってあげる」
腕を掴む手が震えている。……何この子、天使？否、女神じゃん。こんなに美しかったっけ？ヒナって。
怯えて出てこないアッくんたちとは大違いだ。いや、私も多分、アッくんたちがこの状況なら出て行かないけどさ？？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 47人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Qoo01411/
作成日時：2022年7月4日 20時
