雪が嫌いだった宇髄天元が雪を好きになった理由。【現パロ】２

EPISODE 49* ページ5

【Aside】





(ごめん。伊之助君、皆。ごめん、ごめん。)







Aは傘間に言われと通りに三人を無視した。







心が痛い。胸が張り裂けそうだ。







(我慢だ、我慢。私が我慢すれば皆には手は出さはず…。)






・






放課後、美容室に寄った。







「こんにちはー！」







『あの、すみません。カット…お願いしたいんですけど…。』







何も知らない店員は「こちらにどうぞ！」と笑顔で対応してくる。








鏡に映っている自分の顔は暗くて酷いものだった。








耳にはピアスもついていない。








奇麗な髪にハサミが入っていく。








パサリと音をたてて落ちた髪の束は結構な長さだった。









髪は黒髪の毛先にかけてグラデーションになっていたので髪を切ってしまえば
染めなくても真っ黒になった。








髪の白い部分がなくなっただけで雰囲気はがらりと変わった。








(自慢の髪だったのになぁ。)







「綺麗だ」そう言って髪を撫でてくれる宇髄の姿を思い出す。







『………。』







ふと、あの頃に戻りたいだなんて思ってしまう。




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿




翌日の朝、制服に着替えた後、ピアスをつけようとしてしまった。






(あ、ないんだった……。)






・





校門では善逸がいつものように服装点検を行っていた。







いつもはそこで立ち止まってから少し話して上に上がる。








善逸「あ、Aさん！……えぇ！！ どうしたんですか！？その髪！」








Aに気づいた善逸は目玉が飛び出るんじゃないかってくらいビックリしている。








(ごめん。善逸君…。)








昨日と同じように善逸を無視する。







善逸「Aさん！ちょっと待ってくださ…」








冨岡「何している我妻！さぼりか！」








善逸「と、冨岡先生！！」






・




教室に入ると皆がこっちを見る。





「え、雪那さんイメチェン！？ 似合ってる！」




「かわいい！」





『あ、ありがと…。』






皆に似合ってるって言われても全く嬉しくなかった。







炭治郎「Aさん、髪が…！」







伊之助「アイツどーしちまったんだ？」






炭治郎と伊之助が驚いているのが視界に入った。








傘間「雪那さん似合ってるよお！かわいいねぇ」







『…ありがと傘間さん。』







皆の前では猫かぶっている傘間。

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