EPISODE 70* ページ29
宇髄「もうすぐで冨岡が来んぞ。」
傘間「やだぁ…。やだぁ! 私悪くない!!
もう宇髄先生なんて大っ嫌い!!」
なんて自由奔放で気分屋なんだ。
意地でも自分の誤ちを認めようとしない傘間に宇髄は腹が立った。
宇髄「おい。いい加減にしろよ。
お前のせいで今まで何人の奴らが辛い目にあってきたのかわかってんのか?
それなのに 私は悪くない?…ふざけんな。」
宇髄は冷たい声で言い放つ。
宇髄「あ、それと…」
忘れてた。大事な物。
宇髄「ピアス返せ。Aの。お前が持ってんだろ?」
傘間は宇髄を睨みつけると、乱暴に制服のポケットに手を突っ込んだ。
傘間「やるわよ…っ!こんな汚いもん!!」
勢いよく顔に向かって飛んできた小さなピアスをキャッチする。
宇髄(なんかコイツあれに似てんな…。
遊郭で戦った時の…。堕姫とかいったか?)
まぁいいやと、宇髄は傘間に近づいて言った。
宇髄「次アイツに手だしたら許さねぇから。」
傘間「……っ」
あまりの圧のせいか、傘間は泣くのをピタリとやめ、
ゴク…と唾液を無理やり喉に押し込む音がした。
宇髄は何も言わなくなった傘間を置いて美術室を後にする。
「クソっ!死ね!死ねっ!あのクソ女!」と負け犬の遠吠えとでも言うのだろうか。
傘間の声が離れた準備室の中から聞こえてくる。
・
宇髄「あ、冨岡。」
職員室に戻っている際、美術室に傘間を迎えにいく冨岡とすれ違った。
冨岡「…宇髄か。話は済んだのか?」
宇髄「あぁ。…それよりも冨岡。」
冨岡「なんだ。」
宇髄「Aのとこに報告って今日行くのか?」
冨岡「あぁ。そうだが。」
宇髄「じゃあ、伝言頼んでもいいか?
アイツに「 」って伝えてくれ。」
冨岡はジャージの中から紙とペンを取り出してメモし始めた。
冨岡「……わかった。伝えておこう。」
宇髄「あぁ。すまねぇな。」
冨岡と別れた後、宇髄はポケットに入っている小さな金属の感触をしみじみと感じた。
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彩(プロフ) - とてもおもしろかったです!! (2021年1月11日 18時) (レス) id: 95df5f81b7 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - とても面白いです!!で,すいません、私の理解力がないだけなんですが,足立って誰ですか?この後にその話が出ていたらすいません、どうしても気になってしまいましてこれからも頑張ってください!! (2021年1月11日 17時) (レス) id: 95df5f81b7 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - りなおさん» りなおさんこんにちは!コメントありがとうございます!感動して頂けたみたいで良かったです(*´˘`*)短編集の方もよろしくお願いします!! (2020年9月7日 8時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
りなお(プロフ) - 一気に読ませていただきました!ラストは私まで涙が溢れて止まりませんでした(TT)素敵な作品をありがとうございます!短編の方はこれから読ませていただきます!楽しみです! (2020年9月7日 3時) (レス) id: 712037cba2 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - Miraiさん» ホントですか!?よかったです!! (2020年2月11日 16時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こんぺいとー。 | 作成日時:2019年12月14日 2時