EPISODE 62* ページ20
【Aside】
朝。目覚ましの音で目が覚める。
『…朝か。…準備しないと…。』
寝ぼけた頭のまま起き上がろうとしてふと思い出す。
『停学だった…。忘れてた。』
再び布団に倒れ込む。
『なんで私がこんな目に合わないといけないの…。』
ベットの横にあるスマホの電源を入れれば、大量の通知。
炭治郎や善逸からの不在着信、玄弥と実弥からもメールが届いていた。
(皆心配してくれてるのかな…?)
申し訳ないが、返信はせずにそのままスマホの電源を落とした。
『はぁ〜。…ピアスも返してもらってないままだ…。』
耳を触っても前のような冷たい金属の感触はない。
『宇髄さんとも仲直りできてないや。』
前世の時みたいに宇髄と仲良くすることはもうないと考えると目の奥がじんわりと熱くなった。
・
それから何日間か、毎日家の中で過ごした。
外に買い物に出るのは学校があっている時間帯。
キメツ学園の生徒を見かければすぐにどこかに隠れた。
見つかったら指をさされて何か言われそうで怖かった。
・
家の中で過ごしていると、たまに煉獄と冨岡が訪ねてくる。
「調子はどうだ。」と。
カッターで切りつけた日から一週間ほど経った。
傘間はすっかり元気になって学校に来てはAがカッターで襲い掛かってきた。と噂を流しているとか。
煉獄や冨岡にもすべてを話した。
しかし、未だに証拠は見つかっていないので傘間をカッターで切りつけた犯人はAだとして扱われている。
『…先生。』
煉獄「よも、どうした?」
『その…、宇髄先生は元気ですか?』
冨岡「アイツなら準備室で毎日絵ばかり描いているぞ。
…なぜそんなことを聞く?」
『いえ、よく手伝いを求めていたので大丈夫かなっと…。』
煉獄「うむ。最近は何を言っても絵を描いてばかりでな。」
『そう、ですか…。わかりました。
いつもありがとうございます。』
煉獄「俺たちも君が退学になってしまわないように最善を尽くす。」
そして冨岡の深い青の瞳がAの瞳を捕らえて言った。
冨岡「改めて聞く。お前は足立に何もしてないのだな?」
『はい。すべて話した通りです。』
冨岡「……わかった。」
・
帰り際に「炭治郎達が心配しているぞ」と言われ、胸が苦しくなった。
545人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彩(プロフ) - とてもおもしろかったです!! (2021年1月11日 18時) (レス) id: 95df5f81b7 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - とても面白いです!!で,すいません、私の理解力がないだけなんですが,足立って誰ですか?この後にその話が出ていたらすいません、どうしても気になってしまいましてこれからも頑張ってください!! (2021年1月11日 17時) (レス) id: 95df5f81b7 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - りなおさん» りなおさんこんにちは!コメントありがとうございます!感動して頂けたみたいで良かったです(*´˘`*)短編集の方もよろしくお願いします!! (2020年9月7日 8時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
りなお(プロフ) - 一気に読ませていただきました!ラストは私まで涙が溢れて止まりませんでした(TT)素敵な作品をありがとうございます!短編の方はこれから読ませていただきます!楽しみです! (2020年9月7日 3時) (レス) id: 712037cba2 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - Miraiさん» ホントですか!?よかったです!! (2020年2月11日 16時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こんぺいとー。 | 作成日時:2019年12月14日 2時