EPISODE 37* ページ41
【Aside】
(…誰かに会いたい…。)
Aはカバンからスマホを取り出す。
受話器のアイコンを開いて画面をスクロールする。
炭治郎はパン屋で忙しい。
善逸には兄弟子さんとおじいさんに迷惑かけてしまう。
伊之助は、いつでも走り回ってるし…。
そこでスクロールしている手が止まる。
(……。)
どうするか迷ってAはスマホの画面をタップして耳にあてた。
呼び出しの音がリリリと何回か繰り返される。
「もしもし?」
その声が聞こえただけで安心してまた涙が出てくる。
『ぐすっ……。』
「もしもし!? え、泣いてる?」
電話の相手は玄弥だ。
最近甘えすぎているような気もするが、電話をかける手は止まらなかった。
『もしも、し。
ごめんね。今忙しかった?』
玄弥「いや全然! どうした? てか今どこ!?」
Aが泣いていることは一瞬にしてバレた。
『…公、園。 駅過ぎたと、この。』
玄弥「…わかった。すぐ行く。」
電話はそこで切れた。
(またいろんな人に迷惑かけちゃう…。)
・
それから、五分ほど経ってから足音が聞こえてきた。
玄弥「っ!!」
『玄弥君っ。ごめん…』
玄弥は私服だ。おそらく家から走ってきてくれたのだろう。
玄弥「電話っ、かかって、きて、出たら、はぁ、泣いてるから。」
『ごめん。ほんとに…』
玄弥が息を整えてゆっくりと喋る。
玄弥「俺は大丈夫だから。それより何があったんだ?」
玄弥はAの隣に座る。
『……実は…、』
・
玄弥「あの器具なおしに行ってそんなことがあったのか。
ごめん。やっぱ俺が言ったほうが良かったな。」
『ううん。のぞき見した自分が悪いから。』
辺りはすっかり暗くなっている。
玄弥「…暗くなったな。そろそろ帰るか。
どう?少しは落ち着いた?」
『うん。お陰様で。ありがとうね。わざわざ来てくれて…』
玄弥「迎え来れる人いる? 」
『私、一人暮らしなの。電車も次まで待ってたら遅くなるから
歩いて帰るよ。』
玄弥「え、ここから歩いてどれくらい?」
『んー、確実に一時間はかかるかな…』
玄弥「一時間も!? 危ないぞ。もう暗いし。」
『大丈夫だよ。』
玄弥「いや、大丈夫じゃない。
…あのさ、もしよかったらウチ来る?」
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こんぺいとー。(プロフ) - 名前変えたい涙さん» ドタバタ編集したのでもしかしたらまだ名前がそのままになっている所があるかもしれません(汗)その時は言ってください!直ぐになおします! (2020年2月8日 20時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - 名前変えたい涙さん» 名前変更しました!本当に申し訳なかったです...!どうか最後まで読んでもらえると嬉しいです。 (2020年2月8日 20時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
名前変えたい涙 - こんぺいとー。さん» なんかすみません…私1人のためにそこまでしなくても平気ですよ…!! (2020年2月8日 18時) (レス) id: 6fb7d582a8 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - 名前変えたい涙さん» ぱっと思いついた名前を付けました。不愉快な気持ちにさせてしまい、ホントに申し訳ないです…。足立の名前を変更するのでどうか読んで欲しいです。編集が終わるまで少し時間がかかるかもしれませんがそれまで待って頂けますでしょうか? (2020年2月8日 12時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとー。(プロフ) - 名前変えたい涙さん» ホントに申し訳ないです!!!ごめんなさい!! (2020年2月8日 12時) (レス) id: f2066b104c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こんぺいとー。 | 作成日時:2019年11月6日 18時