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棟に入りエレベーターを見ると現在位置が5を表示していた。1じゃなければ階段を使うつもりだったので一直線で階段へ向かう。
階段ダッシュなんていつぶりだろう。思ったより脚が上がらなくなっていることに多少の悔しさを覚えながら、1番上へと急ぐ。

大学の屋上の扉を開くのは初めてだ。
思いっきりドアを開けると、屋上の端の方に人影があった。



『っ…間に合った…!』

「…………、誰ですか」

『え……、その声……』


どこかで────。





言葉より先にその人物の顔が見えて、絶句した。





『A…さん?』

「なんで私の名前………あ、」





少し近づきながら言うと、向こうも僕の顔が見えたようで、驚きの表情をしている。
昨日コンビニでレジをしていた女性店員さん。
たまたま目にした名前のバッジには「A」と書いてあったので、その苗字を口にした。

昨日ここに立っていた人物と、同一なのか…?



『あの…昨日の5限の時間も、ここにいましたか?』
「…何を考えているか分かりませんけど、あなたみたいな人は私なんかに関わらない方がいいですよ」
『え?なんで…?』
「山本祥彰さん、ですよね。うちの大学じゃ有名じゃないですか。私も動画見たことあります」
『あ、それはどうも…。じゃなくて!さっきの質問、答えてくれませんか?』
「答えたとして、どうするんですか」
『どうするって…』



確かに、どうするんだろう。彼女がもし身を投げ出そうとしているのなら、それはダメだよと止めるのか?
勢いでここまで来てしまったけど、その後のことなんて何も考えてなかった。



「…そういうことなんですよ、私も」
『え?』
「別に、何も考えてない。ここに来たのは好奇心だし。こここから飛び降りるつもりなんてなかったのに、昨日警備の人が私を"保護"しに来て驚いた」
『それじゃあ、なんで今日も来たんですか…?』
「今度は別の好奇心湧いたからです」
『別の?』
「そう、投身したらどんな感じなんだろうなって」

3-3→←3.邂逅



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きちでーす(プロフ) - 浅間さん» この作品を読みました。スミマセン・・・これからの更新も楽しみにしています! (2020年3月31日 10時) (レス) id: dee570b2ba (このIDを非表示/違反報告)
浅間(プロフ) - きちでーすさん» コメントありがとうございます。内容の都合で本作では名前は藍で固定になってます。苗字のみ変えていただく設定ですので、ご了承ください。 (2020年3月30日 19時) (レス) id: 2921f9dd64 (このIDを非表示/違反報告)
きちでーす(プロフ) - 初コメ失礼します。名前変換をしても、設定では「藍」という名前になっているのですが・・・ (2020年3月30日 17時) (レス) id: dee570b2ba (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 浅間さん» いえいえ〜 (2020年1月16日 15時) (レス) id: 96cb70a1d2 (このIDを非表示/違反報告)
浅間(プロフ) - 鈴さん» 外していたはずなのですがいつの間に……ご指摘ありがとうございます! (2020年1月15日 20時) (レス) id: 2921f9dd64 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:浅間 | 作成日時:2020年1月13日 23時

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