夕焼けと憂鬱

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『あがり！！』
川｢うわ、まじか｣
須｢あとちょっと届かなかったぁー！！｣
渡｢やられたぁー、てか人生ゲームってこんな盛り上がるんだね｣



いい大人になってからやる人生ゲームは異様に盛り上がって、運良く僕は一抜けすることが出来た。最下位は1人でコンビニにお酒を追加購入しに行くという罰ゲームがあるため、決まるまでゲームは続く。



河｢人生に盤面は無いんだけどなぁ｣
福｢それあれじゃん、人生2週目ゲーム｣
須｢あれはマジで伊沢の人生だったな｣
伊｢完全に俺だったわ。でも2週目が出来るんならあの盤面を辿るんじゃなくて変えていきたいよな｣
川｢それができないのが人生なんすけどね｣
渡｢急に真面目になりますね｣



人生に2週目があるなら、なんて考えたこと今まで無かった。もしそんなものがあるとしたら現世の自分はどんな行動をするのだろうか？
2度目があると決まっている前提なら、自分は何をするんだろう。



河｢山本どうした？眠い？｣
『あ、いやちょっと考え事してて』
須｢なに〜またクイズのこと考えてたん？｣
『今はクイズじゃなくて、もうちょっと難しいことを』
伊｢難しいこと？興味しかないねぇ｣
『そんな面白いことじゃないですよ！ふと、人生に2週目がある前提なら、1周目の人生はどんな風に生きるんだろうなぁって思って』
渡｢まじで難しいこと考えてたんすね｣
河｢今から2週目があると信じ込んで生きてみればいいんじゃない？｣
『今から？』
河｢そう。そんなの無いしなぁとか思わずに、絶対に2週目があると思い込んで生きてみたら、山本の考える1週目になるかもよ｣



今から、人生の2週目が確約されているとして生きる…そんなことが出来るのだろうか。もう20年は生きてて、世の中の一端は分かっている上で。



河｢…言っておいてなんだけど、真に受けないでね｣
『はは、さすがにわかってますよ』



河村さんは僕が本気で考えた事を分かったようで、断りを入れてきたが、正直本気で考えたくなってしまった。

実際に行動に起こしたりは出来なさそうだが、2度目の人生がある人の1度目の人生を想像してみるのは面白そうだ。
数日考えてみて何か結論が出なければ忘れよう、そう思いながら目の前の人生ゲームの展開を眺めた。

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