Call me back again【短編集】

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意図が掴めなかった。
そんな簡単な買い出し、もはや今すぐ行ったっていいくらいなのに。
仕事出来なさすぎて用無しになったのかな…なんて落ち込んでしまう。そりゃ敏腕プロデューサーからしたら亀くらいのスピードだもんなぁ…。

そんなことを考えていると、福良さんは小声で話しかけてきた。



｢最近、仕事し過ぎだから。もっと身体大事にして？｣

『え、』

｢管理の全部を任せてしまってるのは本当に申し訳ないし、その点に関しては伊沢にも言いたいことあるけど、無理のし過ぎは俺が止めるから｣

『そんな、皆さんの方が忙しいでしょうし…私は全然』

｢目の下のクマ、気づいてる？結構ひどいよ。ほとんど寝てないでしょ｣

『えっ、まじですか。毎日数時間は寝てますけど…』

｢クマは嘘。でもやっぱ数時間しか寝てないんだね｣



まんまと嵌められた。この人はなんでもお見通しなのだろうか。



｢Aちゃんは俺たちの仕事管理してくれてるけど、Aちゃんの仕事管理は、俺がしてもいいかな？｣

『…というと？』

｢伊沢はやらなそうだし、他のみんなも管理面は慣れてないだろうし…それに｣

『…？』

｢俺にだったら、Aちゃん従ってくれるかなって｣



超真剣な顔で、真面目なトーンで言われてしまった。
どこからそんな自信が湧くんだろうかと思ってしまったが、確かに、福良さんには逆らえないのも事実で。



『そんな私、福良さんに執心してますかね』

｢少なくとも俺からはそう見えたけど？｣

『…優しいのか怖いのかよく分からないですね』

｢え〜、優しさ全開なんだけどなぁ｣



そんな不敵な笑みを浮かべて言うものではない。
でもこの人になら、自分のことを預けてもいいなと思ってしまった。
そう思わせてきたのは確実にこの人自身のはず。
福良さんはきっと天使を演じられる悪魔だ。

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