劣等少女の病名【2】 (ページ3)

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50.役に立ちたい話ページ3

｢それで、あの。ボンゴレとか、リボーンさんのこととかって、聞いてもいいんですか？｣

｢お前ももう立派なファミリーの一員だ。当たり前だろ｣

そうは言われても、あんまり根掘り葉掘り聞くのは申し訳なかった。だから、ボンゴレというのがどんな組織であるのか。リボーンさんは何者なのか。それだけ聞ければ満足だ。｢そんだけか？｣もっと聞かれると思ってたんだろう。頷きかけて、やめた。

｢あ、それじゃあ最後にもう一つだけ。

……わ、私、お役に立てそう、ですか？｣

役に立たなきゃ意味がない。折角こうして治療してもらって、リボーンさんも風紀委員の方々も仲間だって言ってくれて。こんな未熟な私が今すぐ活躍できるとは思っていない。けど、私の頑張り次第で役に立てるなら、私は

｢ちょっと君たち、いつまでここにいるつもり｣

｢ひ、雲雀さん……！？お元気そうで……｣

｢あの程度どうってことない｣

いや、全然どうってことありましたよ。
あちこち包帯が見えてるし、なんであんな平然としていられるのか。骨折してるんですよね、たしか。もう下校時刻が迫っているのか、雲雀さんの表情はどんどん険しくなっていく。

｢わ、私これから雲雀さんと校内を巡回しますので、お早めにお帰りくださいねっ！｣

傷のことなんか忘れて立ち上がった。少し張るような鈍痛があったけど、なんてことない。ドアの前にいる雲雀さんに｢先生とリボーンさんならすぐ帰りますから｣と説得する。まだ一階だし、他の階も見なければいけないはずだ。

｢草壁さんもいませんし、上に残ってる生徒がいるか見に行かないと｣

｢……行くよ｣

｢はい。そ、それでは皆さん。この度は本当に、ありがとうございました｣

深々と頭を下げて雲雀さんの後ろについて行く。そこでふと、そう言えばこうして近くにいるのはまたお怒りを買いそうだと思った。7mほど距離を開けて後ろを歩く。これならばきっと大丈夫。雲雀さんがチェックした教室を、念の為私も覗いた。

｢ねぇ｣

三階へ上がる階段で声をかけられる。振り返った雲雀さんの顔は不機嫌そうだ。やっぱり、一緒に行動すること自体が良くないのかな。でもそれだと雲雀さんのお役に立つ機会が減るし……

｢なんでそんな後ろを歩くの｣

｢だ、だって雲雀さん。群れるの嫌いじゃ｣

｢その付かず離れずの距離の方が不愉快だ｣

｢す、すみません……｣

雲雀さんとの距離感、全然分からない。私なんかが雲雀さんのお役に立つなんて百年早いのかも。