44.助ける話 ページ46
｢それより、早く十代目の元へ｣
｢アイツを咬み殺さないと、気が済まない｣
私よりもボロボロで、もう到底戦える状態じゃないのに、獄寺さんも雲雀さんも立ち上がる。何故そこまでするのかとは聞かない。分かりきっていることだ。フラフラの二人の間に入って、強制的に腕を回させる。この人たちは、肩どうぞと言って聞いてくれる人でもないだろうから。
｢急ぎましょう。骸さんは、一番上にいるはずです｣
｢そういやお前、骸の野郎と会ったんだろ。よく無事だったな｣
｢……色々、ありまして。こ、この件が終わったら、皆さんにも聞いて頂きたいです｣
それに、リボーンさんに調べてもらえば真相が分かるかもしれない。マフィアやヒットマンの話しなら、きっとリボーンさんも力を貸してくれる。……少し前は、こんなことになるなんて思っても見なかった。
｢向こうの階段で最後だな｣
もうすぐ一番上まで行く。骸さんから言われたことに、頭を悩ませてる場合じゃない。今は骸さんを止めることを考えるんだ。復讐なんて何も満たされたりしないって、気付いてもらうために。
階段を登っていくと、すぐ側の部屋から沢田さんの悲鳴が聞こえた。獄寺さんがスピードを上げるので、私も急いで階段を駆け上がる。薄汚れた部屋に、骸さんと沢田さん達がいた。骸さんに向かって隣からトンファーが飛んでいく。続いてダイナマイトも骸さんと沢田さんを分断するように投げられる。
｢十代目、伏せてください！！｣
爆破によって吹き飛ばされる蛇。
もしあと一歩遅かったら、危なかっただろう。
｢沢田さん！ご無事ですか！？｣
｢雲雀さん、獄寺くん！それに三峰さんも！三人とも……｣
正面にいる骸さんと目が合う。私は最後に見たあの顔が忘れられないのに、今の骸さんは嫌に楽しそうだ。
｢仮は返したよ｣
雲雀さんが急に腰を引っ張るから、私と獄寺さんが離されてしまう。支えを失った獄寺さんが倒れてしまった。｢ご、獄寺さん！雲雀さん、急に引っ張ったら危ないです！｣私の言葉なんて聞こえていないとでも言うように、雲雀さんは眉一つ動かさない。
｢これはこれは、外野がぞろぞろと。千種は何をしているんですかね｣
｢メガネ野郎なら、アニマル野郎と下の階で仲良くのびてるぜ｣
｢……えっ、あの、雲雀さん。私はいつまで…？｣
黙って二人の会話を聞いていたのだが、いつまで経っても離してくれなくて流石に聞く。なんか変に緊張してきたし、そろそろ離してほしいのですが。
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まどろみ(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ修正しておきます！ (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こんばんは！雲雀さんの口癖は噛みじゃなく咬みですよー (2019年3月11日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月10日 22時
