25.病院での話 ページ27
並盛中央病院。並盛町にある一番大きな病院で人も多い。最近は視線にも慣れてきたつもりだけど、この人口密度は久しぶりに目が回ってしまう。｢少し、外の空気吸ってきます……｣何とかそれだけ伝えて、病院の屋上に出る。風紀委員の力なのか、腕章を見せただけで通してくれるとは思わなかった。
｢き、気持ち悪い……｣
ベンチに寄りかかって目を瞑る。
人も、視線も、全て私を見ている気がした。風紀委員というだけで見られるから、きっと勘違いじゃないはずだ。この辺じゃ珍しいセーラー服だし、強制的に人目が向くから慣れてきたつもりだったんたけどな。
｢まだ目眩が。でも、戻らないと｣
なんで私ばかりが、こんなに苦労しているんだろうと思うことがある。周りを横切っていく生徒達が、酷く羨ましくてならない。まるでお化けでも見たかのように(見た目はたしかに貞子だけど)誰もが私から離れていく。その中に、見覚えある人を見つけた。
｢リボーンさん、それと、さ、沢田さん……｣
｢三峰さん！えっ、ていうことはヒバリさんも｣
｢い、いえ！雲雀さんはいらしてません。それより｣
リボーンさんを見る。さっきから、彼が手にしているそれは、一体なんだろう。やたら形が変わっていて、マジックのようにも見えた。
｢これはレオンだぞ。ちょっと今は制御不能でな｣
｢そうなん、ですか……。レオンさん、早く良くなるといいですね｣
｢いや、病気とかではないと思うけど｣
沢田さんが頬を引きつらせながら苦笑いしているのを見て、｢え、あ｣とかそんな単語しか出なくなってしまう。病院だし、病気なのかと思った。めっちゃ恥ずかしい人じゃないか。
｢わ、私仕事に戻るので！｣
｢そういえば、さっき風紀委員の人達が話してましたよ。雲雀さんが犯人を倒しに行ったって！｣
やっぱり、雲雀さん犯人のこと知ってたんだ。私も少し目眩がするくらいで休んでいられない。早く草壁さんと合流しないと。そう思って、エントランスへ踵を返そうとした時、切羽詰まった医者の声がした。
｢どきなさい！！｣
言われた通り壁際によけたけど、運ばれてきた人を見て思わずストレッチャーに走り寄った。
｢草壁さん！！｣
ボロボロの草壁さんは、まだ意識があるようだった。呻き声の合間に、微かに名前を呼ばれる。医者や看護師の人達に離れるよう言われたけど、名前を呼ばれては引き下がれない。
｢三峰……｣
絶句した。
＿＿アイツらを、頼んだ
アイツらって、つまり
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まどろみ(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ修正しておきます！ (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こんばんは！雲雀さんの口癖は噛みじゃなく咬みですよー (2019年3月11日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月10日 22時
